Ciao!2022年の夏にパドヴァを旅してきたのでレポート!ヴェネツィアなど人気の観光地からもから日帰りも可能ながら、穴場なパドヴァの魅力をお伝えします。
パドヴァとは?
パドヴァはイタリア北部ヴェネト州にあり、ヴェネツィアとヴェローナの間に位置しています。トロイの王子アンテノールの伝説によると、紀元前13世紀にヴェネツィア人によって建設されたと伝わっています。
今年、創立800年を迎える非常にレベルの高い教育で有名なパドヴァ大学を有する街です。訪れた日も、何人もの学生がちょうど卒業したようで「ドットーレ(Dottore)!」と祝福されていました。また、パドヴァには1997年ユネスコ世界遺産に登録されたパドヴァ大学の付属植物園がありましたが、2021年に『パドヴァの14世紀フレスコ作品群』として新たに文化遺産が追加されました。
パドヴァの見どころ
スクロヴェーニ礼拝堂 (Cappella degli Scrovegni)
14世紀初めのジョット作のフレスコで有名なスクロヴェーニ家の礼拝堂。満点の星空を思わせるような鮮やかな青の天井を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
連作のフレスコ画は「キリストの生涯」と「聖母マリアの生涯」で構成され、最後の審判など有名な逸話が主となっていますが、西洋美術史初のキスシーンと考えられている聖母マリアの両親である聖ヨアキムと聖アンナのキスシーンなど見どころがたくさんあります。
スクロヴェーニ礼拝堂の見学は完全予約制です。遅刻した場合は予約の取り直しとなります。
エレミターニ教会横の入口から入り、チケット売り場は市立エレミターニ博物館と共通。礼拝堂鑑賞前に手荷物は預ける必要があるため、予約時間の45分前には到着して予約票を見せてチケットを引き取りましょう。
礼拝堂内の写真撮影はOKです。カメラを忘れずに。なお、フラッシュは厳禁。
鑑賞予約時間10分前に礼拝堂内部の解説ビデオ鑑賞室の前まで案内されます。
所要時間は、夏季30分(クリーニングルームでのビデオ鑑賞15分+礼拝堂内鑑賞15分)、冬季40分(クリーニングルームでのビデオ鑑賞20分+礼拝堂内鑑賞20分)。
入場料には併設されている市立エレミターニ博物館(絵画館と考古学博物館)の入場料が含まれています。
パドヴァ大学付属植物園 (オルト・ボタニコ/Orto botanico di Padova)
1545年開園で、大学付属施設の植物園としては世界で最も古いと言われています。
1997年ユネスコ世界文化遺産登録。
プラート・デッラ・ヴァッレ (Prato della Valle)
ヨーロッパの中でも有数の大きさを誇る広場。水路の周りにはパドヴァに由来する約80体もの石像が並びます。友人や恋人と語らう市民の憩いの場となっています。パドヴァ大学付属植物園からも歩いてすぐです。
シニョーリ広場 (Piazza dei Signori)
時計塔(Torre dell’Orologio)が印象的な広場。14世紀前半にカッラレーゼ宮殿の東門として建てられました。夏の夜はアペリティーボで人々が集まり楽しいですよ。
サン・フィリッポとサン・ジャコモ教会/エレミターニ教会 (Chiesa dei SS. Filippo e Giacomo agli Eremitani)
スクロヴェーニ礼拝堂に隣接する教会。第二次世界大戦中の1944年の爆撃により甚大な被害となりましたが、再建されました。祭壇横などにある14世紀のフレスコ画は一部が奇跡的に残り、2021年に世界文化遺産に登録されました。
ラジョーネ宮殿 (Palazzo della Ragione)
通称、サローネ(Il Salone)。2階部分は世界最大級の大部屋の内部は約500枚のフレスコで装飾されており、占星術や宗教に関するものなど見ごたえたっぷり。船底のような天井も特徴的です。
また、周りの広場(Piazza della Frutta、Piazza delle Erbe)は、毎日朝市でにぎわいます。
パドヴァ大聖堂の洗礼堂 (Battistero della Cattedrale)
パドヴァ大聖堂に隣接する礼拝堂。内部のフレスコ画はジュスト・デ・メナブオイ(Giusto de’ Menabuoi)の傑作とされ、14世紀を代表するフレスコ画連作の一つです。
30分間隔で各回45分のオーディオガイド付きの見学。オーディオガイドはイタリア語・英語・スペイン語などから選ぶことが可能です。日本語はなし。
金・土・日・祝日の10:00と15:00には、礼拝堂と博物館のガイドツアーが開催されます。
カッラレーゼ宮殿礼拝堂 (Cappella della Reggia Carrarese)
パドヴァ大学の文学・芸術学部内と少しわかりにくい場所にありますが、見学する価値は十分あります。
かつてのパドヴァ領主であったカッラレージ(ダ・カッラーラ)家の礼拝堂の内部には、一面に連作のフレスコ画で装飾されていました。現在ではその一部が残っています。フレスコ画の題材は、多くの人が一度は聞いたことがあるようなダビデ、ソロモンの審判、ソドムの街など旧約聖書を含む逸話で構成されており、約30分間の学生ガイドさんによるわかりやすいガイドツアーで見学することが可能です。(イタリア語・英語)
サンタントニオ・ディ・パドヴァ聖堂 (Basilica di Sant’Antonio di Padova)
通称「イル・サント(il Santo)」と親しまれているパドヴァの守護聖人である聖アントニオを祀った聖堂です。
聖堂の前にある広場にはドナテッロ(Donatello)の傑作である『ガッタメラータ騎馬像』があります。
サン・ジョルジョ小礼拝堂 (Oratorio San Giorgio)とサンタントニオ・ディ・パドヴァ修道院 (Scuola del Santo(Scoletta))
サンタントニオ・ディ・パドヴァ聖堂に隣接する小礼拝堂です。世界遺産を構成するフレスコ画は1階のサン・ジョルジョ小礼拝堂にありますが、忘れてはならないのが、2階部分の修道院です。内部には、『Miracolo del marito geloso』など、ティツィアーノ作と言われている絵画がいくつかあり、その他にも1500年代前半を主とした素晴らしい絵画を鑑賞することが可能です。
受付で作品解説(日本語あり)の貸出があります。
サン・ミケーレ小礼拝堂 (Oratorio San Michele)
カッラレーゼ城の近くにあるヤコポ・ダ・ベローナ(Jacopo da Verona)作のフレスコ画が残る礼拝堂。
見どころ番外編
ラ・フォルペリア (La Folperia)
ゆでだこで有名なお店。イタリア語でタコはpolpo(ポルポ)というのですが、パドヴァの方言でfolpo(フォルポ)。
名物のゆでだこは100g5ユーロの量り売りで、大きさを確認してその場でぶつ切り。塩とサルサヴェルデ、レモン汁でいただきます。他にもおいしそうな海鮮の惣菜がたくさんあり、アペリティーボにおすすめです。ドリンクは隣のバールで調達しましょう。
営業時間は変動するので公式Facebookを要チェックです。
カフェ・ペドロッキ (Caffè Pedrocchi)
ミントコーヒーで有名なパドヴァで一番古いカフェ。
パドヴァ大学のボー宮 (Palazzo Bo)
パドヴァ大学のメインキャンパス。有料のガイドツアーが開催されています。
「歴史ツアー(Palazzo Bo – Giro storico)」
月-金 7ユーロ
・イタリア語:10:30、15:30、17:30
・英語:11:30、16:30
「ボー宮とジオ・ポンティの1900年代 (Palazzo Bo e il ‘900 di Gio Ponti)」
土・日・祝日 12ユーロ
・イタリア語:9:30、11:00、14:00、15:30、17:00
・英語:10:30、12:30、16:00
観光中の移動に便利なトラム
約6分間隔での運行でパドヴァの街を南北に縦断します。
早朝から23:30まで運航しており、観光にも便利ですよ。うまく活用しましょう!
なお、パドヴァ駅方面は「PONTEVIGODARZERE」行きです。反対方向の「GUIZZA-Cap.SUD」行きではありません。方面を間違えないように注意しましょう。
切符は停留所にある券売機やタバッキで購入します。
- 75分有効券 1.30ユーロ
- 1日券 3.60ユーロ
ツーリストカード Urbs Picta Card
2021年に登録された世界遺産のフレスコ画群をすべて見たい方にとって、おすすめのツーリストカードです。
例えば48時間有効なカードの場合、すべて割引なしで入場すると38ユーロ+バス・トラム1日券×2で7.2ユーロの合計45.2ユーロのところ28ユーロですので、17.2ユーロのお得となります。
ただし、かつてのパドヴァカードのように美術館・博物館への入場は含まれていませんのでご自身の興味に合わせて検討すると良いでしょう。
なお、購入時に氏名の登録が必要です。スクロヴェーニ礼拝堂根の入場チケットと一体型になっている場合は、他の対象施設に入る際もスクロヴェーニ礼拝堂の入場チケットにあるバーコードが必要ですので、紛失したり汚したりしないように注意しましょう。
カードの種類
- 48時間有効 28ユーロ
- 72時間有効 35ユーロ
- パドヴァ県在住者は、6ヶ月間有効で25ユーロ
チケットに含まれる特典
- 8つのユネスコ世界遺産関連施設が入場無料
- Cappella degli Scrovegni (スクロヴェーニ礼拝堂)
- Palazzo della Ragione (ラジョーネ宮殿)
- Oratorio San Michele (サン・ミケーレ小礼拝堂)
- Chiesa dei SS. Filippo e Giacomo agli Eremitani (サン・フィリッポとサン・ジャコモ教会/エレミターニ教会)
- Oratorio San Giorgio (サン・ジョルジョ小礼拝堂)
- Basilica di Sant’Antonio di Padova (サンタントニオ・ディ・パドヴァ聖堂)
- Cappella della Reggia Carrarese (カッラレージ宮殿礼拝堂)
- Battistero della Cattedrale (パドヴァ大聖堂の洗礼堂)
- パドヴァの公共交通機関(バス・トラム)が乗り放題
購入方法
・HPから購入する (スクロヴェーニ礼拝堂の予約と一緒に購入)
https://urbspictacard.vivaticket.it/it/tour/biglietto-unico-urbs-picta-card/
・スクロヴェーニ礼拝堂及びエレミターニ博物館のチケット売り場
・ツーリストインフォメーションセンター
スクロヴェーニ礼拝堂の予約と一緒にオンライン購入した場合は、スクロヴェーニ礼拝堂及びエレミターニ博物館のチケット売り場でスクロヴェーニ礼拝堂根の入場チケット兼Urbs Picta Cardを引き取る必要あり。
スクロヴェーニ礼拝堂の予約日時は関係なく受け取ることが可能。(例えば、スクロヴェーニ礼拝堂予約の前日に受け取り&使用開始もOK)
ツーリストインフォメーションで確認したところ、2022年7月現在、以前あったパドヴァカードは廃止されてUrbs Picta Cardに統合されたとのこと。
観光案内所
① パドヴァ駅構内
② カフェ・ペドロッキの裏手
パドヴァへの行き方
電車でお越しの場合
- ヴェネツィア サンタ・ルチア駅から:急行や普通電車(RV・R)で27~50分。2等車片道4.80ユーロ。
- ヴェローナから:急行や普通電車(RV・R)で1時間~1時間30分。2等車片道7.80ユーロ。
- ボローニャから:急行 (RV)で1時間40分ほど。2等車で片道10.45ユーロ。
- ミラノから:急行(RV)で約3時間35分。途中ヴェローナ ポルタ・ヌオーヴァ(Verona Porta Nuova)駅で乗り換え。2等車で片道17.65ユーロ。
お車でお越しの場合
- ヴェネツィアから:40分(約41.5km)
- ヴェローナから:1時間10分(約96km)
- ボローニャから1時間25分(約117km)
- ミラノから:2時間40分(約245km)
まとめ
パドヴァのメインエリアはコンパクトにまとまっており徒歩での観光も可能ですが、午前中のみの開館や少し離れたところに位置する施設もありますので、トラムもうまく使って時間の節約をしたいものです。カッラレーゼ宮殿礼拝堂とサン・ミケーレ小礼拝堂は開館時間が短いので要注意です。
ショッピングに関しては、トラムが走る大通りに並行するVia Romaがメインストリート。
見どころ盛りだくさんのパドヴァは穴場でオススメです!
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