Ciao!今回は今イタリアでも注目されているウォーキング・ハイキングツーリズムとイタリア国内の定番の道をご紹介します。
カンミーノとは?
「カンミーノ(cammino)」とは、イタリア語で「道、歩み、足跡」を意味します。複数形はカンミーニ(cammini)。スペイン語のカミーノ(camino)と同じ意味です。最近では観光資源として、主に巡礼路やかつての街道を利用したウォーキングやハイキングのためのトレイルルートの整備が進んでいます。スペインやフランス、ポルトガルを通り、世界遺産にもなっている『サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路』が特に有名ですね。
各地をゆっくり歩きながら旅するこの方法は、地元のストーリーを取り入れながら、歴史的・自然的・文化的・宗教的な体験型サステナブルツーリズムやスローツーリズムとして近年注目を集めています。イタリアでも聖人や歴史、文学作品の足跡を辿りながら里山を歩くコースが数多く誕生しています。
日本でも古くから熊野古道やお遍路、お伊勢参り、東海道や中山道の歩き旅などが盛んでした。近年では、自然遊歩道を利用したロングトレイルの整備も進んでいますね。
歩き旅を始める理由は人それぞれ。家族の夏休み旅行から、学生の卒業旅行、ちょっと一人になりたいとき、老後の挑戦まで、様々な理由で老若男女が歩いています。また、自転車や馬に乗ることができるルートもあります。スタートからゴールまで数日掛けて一気に踏破するのも良し、途中まで車や公共交通機関で行って一部区間、または、ひと区間だけ歩くのも自由です。各地でクレデンツィア―レ(Credenziale)と呼ばれるスタンプを集めながら、数回・数年に分けて挑戦するのも良いでしょう。
山道など舗装されていない自然の中を歩きます。ある程度の装備・事前準備は必要ですが、みなさんもイタリアで、スローでサステナブルな巡礼・街道の旅をしてみませんか?
イタリア文化省によるCamminoルートの11のガイドライン
- 線形で使いやすい物理的ルート
- ルート上に標識がある
- 安全で使いやすいコース
- アスファルト舗装道路の割合が40%以下であること
- ルート上に歩行者のためのあらゆる支援サービスがある
- 各区間の説明がウェブサイトに掲載されていること
- ルート上から5km圏内に宿泊施設と食事処があること
- 各コースの「管理団体」がある
- 各コースの安全確保とメンテナンスがされている
- 各コースの地図をGPSなどで参照できる
- 常に更新されているホームページがある
イタリアの主なCammini
フランチージェナ街道(Via Francigena)
イタリアで最も有名な巡礼路ですね。イギリスのカンタベリーから、フランスやスイスを通り、イタリアのローマ・バチカンまでの巡礼の旅。Cultural Routes of the Council of Europe選定。
イタリア国内では、ヴァッレ・ダ・アオスタ州のグラン・サン・ベルナール峠から入り、ピエモンテ州・エミリア=ロマーニャ州・トスカーナ州など国内13州に渡る各都市を通りながらイタリア北中部を縦断し、ローマに到達します。その他、イタリア南部など、イタリア国内各地からスタートするオプションルートもあります。
ローマ近くの最終区間の徒歩100km(自転車の場合200km)以上を歩くと、Testimonium(踏破証明書)がもらえるので、その区間だけ挑戦する人も多いですよ。
フランチェスコの道(Via di Francesco)
こちらもイタリアでは知られた巡礼路。アッシジの聖フランチェスコゆかりの地を巡ります。
北ルートのアレッツォのヴェルナ山修道院から聖フランチェスコの聖地であるウンブリア州アッシジまで。または、南ルートのローマ・サンピエトロ寺院からアッシジまでです。
神々の道(Cammino degli Dei)
比較的交通の便が良く、挑戦しやすいと言われているのが、この「神々の道」です。
ボローニャからアペニン山脈を横断してフィレンツェまでの約130km。古代にはエトルリア人やローマ人が往来し、中世には商人や旅行者が利用した歴史的なルートでもあります。
旧アッピア街道(Cammino Dell’Appia Antica)
「街道の女王」と呼ばれる旧アッピア街道。2024年には、UNESCOの世界文化遺産リストに登録されました。
ローマから、カンパニーア州とバジリカータ州を通り、プーリア州のブリンディジまで、イタリアの南半島を横断します。
ローマ周辺だけ歩くのもオススメですよ。
イタリア国内のCamminiリストが掲載されているサイト
イタリア文化省Cammini d’Italia(イタリア語のみ)
https://camminiditalia.cultura.gov.it/
CAMMINI D’ITALIA(イタリア語のみ)
https://camminiditalia.org/cammini-italia/
Italia dei Cammini(イタリア語のみ)
https://www.italiadeicammini.it/
まとめ
今回は、イタリアで注目のカンミーノを解説しました。近年、持続可能な観光や品質を重要視したスローツーリズムといった観点からも注目を集めています。もちろん、アスファルト舗装されていない自然の中を歩くので事前にある程度の装備や準備は必要です。しかし、ひと区間だけ、週末だけといった気軽にチャレンジする人も多くいます。各公式HPには各区間の難易度表示もありますよ。みなさんも是非イタリアで、スローでサステナブルな巡礼・街道の旅、歩く旅をしてみませんか?
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