Ciao!寒い日が続いていますね。今回はイタリアの暖房について解説します。
イタリアの暖房について
イタリア語では、「riscaldamento(リスカルダメント)」や「termosifone(テルモシフォーネ)」と言います。
皆さんのお家の窓近くなどに備え付けのリスカルダメントは設置されていませんか?浴室にもあり、冬場はありがたいです(笑)
給湯器につながっており、お湯を循環させてお部屋を暖める仕組みの温水循環式ヒーターです。触れてもやけどするくらいの熱さにはなりにくいので、小さなお子さまがいるご家庭でも安心ですね。暑かったり、暖房の必要がないお部屋では、リスカルダメントの横にあるバルブを閉めて調節することもできます。
イタリアでは、脱原発の影響で電気代が非常に高く、エアコンを設置しているご家庭は少ないのです。
リスカルダメントには、自分でオン・オフするタイプや自動タイマーのサーモスタット式、一括管理のセントラルヒーティング式など様々なタイプがあります。いずれにしろ、使いすぎないように注意しましょう。
ちなみに、給湯器は年1回の点検が義務づけられていますよ。
使用できる期間と時間が決まっている?
お住まいの地域によって、リスカルダメントを使用できる期間と1日当たりの最大使用時間が法律で決まっています。期間や時間は、毎年変更があり、マンションの掲示板や自治体のニュースなどでお知らせされます。
Zona | 1日の最大 使用時間 | 使用開始日 | 使用終了日 | 主な地域 |
---|---|---|---|---|
A | 5 時間 | 2023年12月8日 | 2024年3月7日 | ランペドゥーザなど南部の諸島 |
B | 7 時間 | 2023年12月8日 | 2024年3月23日 | パレルモ、トラパーニ |
C | 9 時間 | 2023年11月22日 | 2024年3月23日 | ナポリ、カゼルタ |
D | 11 時間 | 2023年11月8日 | 2024年4月7日 | ローマ、ペスカーラ |
E | 13 時間 | 2023年10月22日 | 2024年4月7日 | ミラノ、トリノ |
F | 制限なし | 制限なし | 制限なし | トレント・アルプス周辺 |
「Classificazione climatica 地域名」で検索するとお住いの地域の分類がわかります。
例えばアッシジの場合、「Zona E」に分類されるため、2022年10月22日~2023年4月7日の期間で、1日あたり最大13時間まで使用することが可能です。
ただし、急な気温変化などに対応するため、この基準は各自治体の判断で変更される場合もあります。
設定温度の指定がある?
2022年度は19℃を保つように決められています。
±2℃は許容範囲ですので、暖房の設定温度も17~21℃で設定しましょう。
各リスカルダメントの使い方と注意点
個別制御式暖房(Riscaldamento autonomo)
家全体のリスカルダメントとつながっていて個別宅でオン・オフできるパターンや、テルモシフォーネ単体についている制御装置を回して個別に流れるお湯の量を調整するパターンがあります。
好きな時に稼働させることができる反面、切り忘れに注意しましょう。
サーモスタット式
設定温度と使用時間帯を指定して使用する自動タイマー式です。
基準温度を下回ると自動で稼働し、部屋が温まると自動でオフになります。
タイマーの調子が悪いと思った時は、設定パネルの電池を確認しましょう。一度、リスカルダメント稼働中に設定パネルの電池が切れ、稼働したままで制御できなくなり、結局は給湯器自体をオフにすることになった経験があります。
セントラルヒーティング(Riscaldamento centralizzato)
集合住宅などで多いタイプです。個別宅では調整できず、温度やオン・オフは管理人側で一括制御されています。また、冬場の共益費に金額が上乗せされていることが多いです。
その他にも、Amazonなどでは、ファンヒーターや電気毛布も売っていますし、メルカートでは湯たんぽもあります。光熱費が気になる場合やリスカルダメントだけでは寒い場合はヒーターも併用して寒さをしのぎましょう。
まとめ
今回は、イタリアの暖房について解説しました。定められた基準を超えたからといって、警察によるチェックが入ったとは聞いたことはありませんが、違反には罰金が設定されているので注意する必要があります。ただ、近年の光熱費高騰によりそこまでフル稼働させているご家庭は少ないのではないでしょうか。アッシジ在住の管理人も厚着で乗り切り、暖房は一切稼働させずに冬を過ごしています。
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