Ciao!今回は、10月末の観光オフシーズンにボルツァーノへ行ってきたレポートです。あいにくの雨模様でしたが、冬の雰囲気をお伝えできればと思います。
ボルツァーノとは?
イタリア語はボルツァーノ(Bolzano)、ドイツ語だとボーツェン(Bozen)。イタリアでも最北端トレンティーノ=アルト・アディジェ特別自治州の北部側(アルト・アディジェ地域)に位置し、ボルツァーノ自治県の県都です。
この地域は、歴史的に複雑な地域であり、長い間オーストリア帝国の一部(ティロル伯領)だったりと、今でもドイツ系の住民が非常に多いです。過激派の中には、現在でもイタリアからの独立を目指す動きもあるくらいです。なお、トレンティーノ=アルト・アディジェ州は、特別自治州としてイタリアの他の州よりも強い自治権を持っています。
この地域は「南チロル地方」、「未回収のイタリア」などと呼ばれ世界史の教科書に登場しましたね。第一次世界大戦・第二次世界大戦時には激しい戦闘の舞台となりました。
住民は家ではドイツ語、学校や職場ではイタリア語と日常的に2言語を話す人も多く、イタリア語と共にドイツ語が公用語として併記されています。街の標識や交通機関の地域名もドイツ語-イタリア語で表記されていますので注意が必要です。また、少数ではありますが、ドロミテ周辺で話されるラディン語を使う人もいます。街中はドイツ語の方が多い印象ですね。すれ違う時も、「モーゲン(Morgen)」と挨拶されることが多かったです。
イタリアの他の地域と比べてドイツの気質といいますか、きれいに整然としている印象です。電車やバスも新しく、行き先表示や自動アナウンスもあり、旅行しやすいですね。ただし、アナウンスの言語に関しては、ドイツ語とイタリア語のみで、英語はないことが多いようです。
食文化に関してもドイツ・オーストリアの影響が強いです。そのため、イタリアにいながら外国の文化を体験することができる貴重な地域でもあります。また、ウエハースのロアカー(Loacker)もボルツァーノ発祥です。
ボルツァーノのクリスマスマーケットは特に有名で、イタリア各地からのバスツアーがあるくらいですよ。一度行ってみたいものです。
ボルツァーノの街の自体はそこまで大きくはありません。丸1日あれば、十分堪能することができるでしょう。屋根のある回廊ポルティコもあるので悪天候でも観光できますよ。また、小さなお店なども多くあり、街歩きも非常に楽しいですね。
気候に関しては、盆地のため京都と同じく、夏の暑さ・冬の寒さともに厳しい傾向にあります。北部だからといって避暑目的で訪れると結構大変だそうです(笑)
ボルツァーノを滞在の拠点にしつつ、周辺の街へ遊びに行くと良いでしょう。スーパーやベーカリーが豊富に揃っているので、自炊しつつ、数日滞在するにもおすすめの街です。
また、ヴェローナ、ミラノ、ヴェネツィア、ボローニャあたりの大都市からならばFrecciarossaなどの特急で日帰りも可能な圏内ですよ。
ボルツァーノの見どころ
ヴァルター広場(Piazza Walther)
ボルツァーノのメイン広場。中央にはドイツの詩人ヴァルターの像があります。
ドゥオモ(Duomo di Bolzano)
可愛らしい色屋根が特徴的ですね。聖母マリアに捧げられた1517年に設立のゴシック様式の大聖堂です。現在の教会は、世界大戦中の爆撃により損傷を受け、1948年に再建されたものになります。
アルト・アディジェ考古学博物館(Museo Archeologico dell’Alto Adige)
氷の中から発見された約5300年間のアイスマン(エッツィ/Ötzi)と呼ばれるミイラで有名な考古学博物館。アイスマンは、オーストリアとの国境で発見されましたが、発見地が約92.56mイタリア側だったために現在はイタリアの所有となっています。
なお、アイスマン関連が展示されている2階は全フロア撮影禁止となっています。
できれば、開館と同時の入場がおすすめです。観光ローシーズンでさえ15時には入場やミイラを見るのにも約10~30分待ちでした。
ドメニカーニ教会(Chiesa dei Domenicani)
1272年設立のドミニコ会のゴシックスタイルの教会。ドゥオモの隣に位置しています。教会内にあるサンジョバンニ礼拝堂には見事にはフレスコ画があるので必見ですよ。
メルカート通り(la via del mercato)
朝から夜まで毎日、様々な屋台がならぶ青空市。新鮮や野菜・果物やサラミやハムといった肉加工品、パンなどが揃っています。
ボルツァーノの観光案内所
無料の観光マップあり。
ツーリストカードの購入も可能です。
ツーリストカード
モビルカード(Mobilcard)
アルト・アディジェ地域の公共交通機関が無料で乗り放題となるツーリストカード。
1日でレノンのロープウェイ&鉄道+カレッツァ湖まで往復するならば、購入すると良いでしょう。(15+9=24ユーロ)
- 1day 20ユーロ
- 3days 30ユーロ
- 7days 45ユーロ
ムゼウモビルカード(Museumobilcard)
レノン鉄道やレノンのロープウェイやトレントまでの普通列車を含む、アルト・アディジェ地域の公共交通機関が無料&約90の文化施設などに無料で入場することが可能となるツーリストカード。
4日以上日滞在して他の街へ行ったり、博物館などをまわるのであればオススメです。
たとえば、定番の3日コース(レノンのロープウェイ&鉄道, カレッツァ湖, ボルツァーノ-トレント間の往復+ボルツァーノの考古学博物館)だと、15+9+14,6+13=51,6ユーロ。
- 3days 55ユーロ
- 7days 65ユーロ
ボルツァーノ・ボーツェン・カード(Bolzano Bozen Card)
提携している宿泊施設に宿泊すると貰えるお得なツーリストカードです。
レノン鉄道やレノンのロープウェイを含む、アルト・アディジェ地域の公共交通機関が無料&約90の文化施設などに無料で入場することが可能、アクテビティツアーの割引など、メリットがたくさんあります。
カードのみを購入することはできず、提携している宿泊施設の宿泊料金にこのツーリストカードの料金も含まれています。
提携宿泊施設のリストは、公式HPをご覧ください。
ボルツァーノの特産品・郷土料理
ジビエや肉料理の他、キノコなど山の幸が中心です。ワインも有名な地域ですが、ビール酒場が多いですね。ワインは、ドイツ系らしく、少し甘めな印象です。
カネデルリ(Canederli)
パンをベースにした大きめのお団子。スープに入ったものやソースがかかったものなどバリエーションが豊富です。
スペック(Speck)
いわゆるベーコンの一種ですね。塩漬けにした豚肉を燻製にした生ハムです。
ストゥルーデル(Strudel)
アルト・アディジェ地方はリンゴも名産です。ストゥルーデルは、リンゴを豊富に使ってレーズン、松の実やシナモンなどのフィリングをパスタ生地のような薄い生地で巻いて焼いたお菓子。オーストリアの方でも定番ですね。
ビールと肉料理
ビール酒場はBirreriaと書いてあり、コスパがいいのでオススメです。ワンプレートで定番郷土料理が味わえることも場合ありますよ。
ビールが苦手な人にはラードラ―(Radler)と呼ばれるビール60%とレモンジュース40%のカクテルがおすすめです。
ボルツァーノへの行き方
公共交通機関でお越しの場合
- トレントから:普通電車(R)で約55分、急行(RV)で約35分。2等車で片道7.30ユーロ。
- ヴェローナから:普通電車(R)で約2時間15分、急行(RV)で約1時間24分。2等車で片道14.80ユーロ。
- ボローニャから:急行電車(RV)で約3時間45分。2等車で片道24.50ユーロ。
お車でお越しの場合
- ヴェローナから約1時間45分(155km)
- ヴェネツィアから約2時間24分(268km)
- ミラノから約3時間10分(278km)
- ボローニャから約2時間56分(282km)
まとめ
今回は、ボルツァーノをご紹介しました。ボルツァーノはイタリアの他の都市に比べてローシーズンでも少し宿泊料金が高いと感じましたが、ボルツァーノやレノン地域で貰えるツーリストカード付きの宿泊施設を選ぶとお得に滞在できると思います。一方、食事に関しては、他のどの都市よりもコスパがいいですね。ボリューミーなものも多いですし、全体的に経済的な価格設定です。ドイツソーセージなどの屋台も街のあちこちにあり気軽にストリートフードとして楽しむこともできます。パンとセットで5ユーロくらい~でした。
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