Ciao!今回はパスクア休暇で行ってきたスルモナについてご紹介します。2023年のGiro d’Italiaの第7ステージのルート内にも組み込まれています。小規模ながらも、美しく見どころいっぱいの街ですよ。
スルモナとは?
スルモナ(Sulmona/スルモーナ)は、アブルッツォ州の州都ラクイラの南東に位置し、海抜約 350 メートルの高原にある街です。ローマ(ティレニア海)とペスカーラ(アドリア海)を繋ぐ交通の要所です。アペニン山脈内の渓谷にあり、街の周囲にそびえるConca Pelignaをはじめとした雄大な山々は絶景です。『変身物語』の作者であり、古代ローマ時代の詩人オウィディウスは、この街の生まれでもあります。
この地域では、たびたび大きな地震が起きています。近年では、2009年のラクイラ地震の震源に近く、大きな被害に見舞われました。現在は復旧作業も進み、かつての美しさを取り戻しています。
その他、冠婚葬祭には欠かせないお菓子であるコンフェッティ製造の老舗Pelino社の本社があり、コンフェッティの街として知られています。1783年創業だそうですよ。街のあちこちで見られる色とりどりのセロファンで包まれたコンフェッティでつくられた造花などの工芸品は、花束にしてお土産とするのも最適ですね。この工芸品は現在も一つずつ手作業で丁寧に作られています。
また、毎年、聖金曜日に行われる宗教行事possiede moltiはアブルッツォ州の中でも有名です。イースター前の聖週間や7月の最終日曜日に行われるLa Giosta Cavallerescaの時期には、この小さな街もお祭りで盛り上がります。
街自体はこぢんまりとしており、主要な見どころはメインストリート周辺に集まっています。天気がいい日の散策にはぴったりですよ。
スルモナの見どころ
サン・パンフィーロ大聖堂(Cattedrale di San Panfilo)
1075年に建てられたスルモナの大聖堂です。1706年の地震では非常に大きな被害を受けましたが、バロック様式で再建されました。鉄道駅方面からスルモナの街に入ったすぐのところにあります。
Santissima Annunziata教会(La Chiesa della Santissima Annunziata)
教会と市立博物館の複合施設です。教会は1320年病院に併設する形で建設されました。現在の建物は数度にわたる地震の影響でオリジナルは残っておらず、1700年代以降に再建されたものです。
S. Maria della Tomba教会(Chiesa di S. Maria della Tomba)
Tombaとはイタリア語でお墓のこと。かつてのローマ神殿の墓所やオウィディウスのお墓に由来する名前をもつ教会です。現在のファサードは大きなバラ窓が特徴的ですね。教会自体はジュピターに捧げられたローマ神殿の遺跡の上に1076年頃に建てられたと伝えられています。
水道橋(Acquedotto Medievale)
1256年建設の今なお残る中世の水道橋です。
Pelino社のコンフェッティ博物館(Museo Confetti Pelino)
工場に直売所と博物館が併設されており、無料で見学することができます。2階から上が博物館になっており、歴代の製造機械やPelino社の歴史について展示されています。
また、直売所では工場価格で様々な味のコンフェッティを量り売りで購入することが可能です。お願いしたら味見もOKですよ。その他、シンプルな1ユーロの小袋から贈答品まで各種取り揃えています。
スルモナの中心街(ナポリ門/Porta Napoli)から少し下ったところにあります。徒歩15分くらいです。
スルモナの観光案内所
無料のシティマップあり。
スルモナの特産品
コンフェッティ(Confetti)
Confettiとは、英語では紙吹雪という意味がありますが、イタリア語ではアーモンドを砂糖でコーティングしたお菓子のこと。イタリアをはじめヨーロッパでは冠婚葬祭の際に配る伝統のお菓子です。プレゼントとして贈るのではなく、内祝いとして周りの人に配ります。
コンフェッティの色にはそれぞれ意味があります。例えば、ブルーは男の子が生まれたとき、ピンクは女の子が生まれたとき、カラフルなものは誕生日、赤は大学卒業、純白は結婚、黄色は結婚20周年など。
また、数にもそれぞれ意味があり、1,3,5などの奇数がいいとされています。
新婚旅行や卒業旅行でスルモナを訪れて、お土産にそれぞれの意味のコンフェッティを配るのも素敵ですね。
赤ニンニク(Aglio Rosso)
スルモナへの行き方
電車でお越しの場合
- ラクイラから:Aterno Line直通で約1時間。2等車で片道6.50ユーロ
- ペスカーラから:急行や普通電車(RV・R)直通で約1時間。2等車で片道6.50ユーロ
- アッシジ・ペルージャから:急行や普通電車(RV・REG)でテルニ(Terni)駅まで行き、ラクイラ経由で約5時間20分。普通列車(2等車)で片道15,55ユーロ
- ローマから:急行(RV)直通で2時間30分。2等車で片道11.60ユーロ。その他、AvezzanoやTerni、L‘Aquila乗り換えで4時間~。2等車で片道12.00ユーロ~
スルモナの鉄道駅から街まではまっすぐ直進ですが、徒歩30分かかります。
お車でお越しの場合
- ラクイラから約1時間10分(69km)
- ペスカーラから約1時間(69km)
- ペルージャから約3時間(244km)
- ローマから約1時間45分(163km)
- フィレンツェから約4時間15分(390km)
まとめ
今回は、アブルッツォ州のスルモナについて解説しました。パスクア休暇の最終日、アッシジの自宅へ帰る途中に半日ほど立ち寄ったのですが、立ち寄った甲斐がある街でした。ランチはRistorante Ginoでいただきました。地元の食材を使ったアブルッツォ州の伝統料理を味わうことができ、おすすめです。街の人々も優しく、次回は1日かけてゆっくり滞在したいですね。
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