Ciao!今回は、2022年11月に北部のトリノを訪れた時のことをレポートします。
トリノとは?
トリノ(Torino)とは、イタリアの最北西部フランスやスイスとの国境沿いにあるピエモンテ州の州都にしてトリノ県の県都です。北西部にはアルプス山脈がそびえ、ウィンタースポーツが盛んです。フィギュアスケートの荒川静香選手が2006年のトリノ冬季オリンピックで活躍し、この街の名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
また、トリノは起業家精神にあふれた都市でもあります。チョコレートのカファレル(Caffarel)やヴェンキ(Venchi)、カフェのLAVAZZA、自動車のフィアット(FIAT)、サッカーチームのユヴェントスFC(Juventus FC)など多くの有名企業がトリノで誕生しました。
文化面では、1997年にユネスコ世界文化遺産として『サヴォイア王家の王宮群』が登録されています。
サヴォイア家は1861年に誕生したイタリア王国の王家です。その後、1946年の国民投票の結果、共和国誕生とともに王制は廃止され、イタリアから追放となりました。トリノには、イタリア王国の最後の首都として、サヴォイア家に関する素晴らしい文化の数々が残ります。
王宮文化・考古学・映画・スポーツ・工業・美食と多分野に見どころが多く、どんな人でも楽しむことができる街です。1日だけでは足りません。2~3日滞在して満喫することをおすすめします。ローマ、ミラノ、ナポリに次ぐイタリア第4の都市ですが、中心街は十分徒歩で観光可能ですよ。
トリノの見どころ
トリノ王宮(Palazzo Reale di Torino)
サヴォイア家の宮殿です。1865年までは、サルデーニャ王国の拠点として使用されていました。1946年の王政廃止まで王家の邸宅として利用されましたが、共和制に伴い、国所有の博物館として生まれ変わりました。内部には、豪華絢爛な調度品などが保存されています。
現在は、絵画館・博物館・チャペル・中庭など8施設が王宮博物館として一般公開されています。武器を扱った博物館には、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世へ明治天皇よりイタリア王国と日本国の友好の証として贈られた鎧や日本刀が大切に展示してありました。
マダマ宮殿(Palazzo Madama – Museo Civico D’arte Antica)
かつては古代ローマ植民地時代の東門城塞として機能していましたが、1620 年に西側を改築し、歴代の貴婦人たちが住む邸宅となりました。現在の正面玄関は1718年に当時の宮廷建築家によって出材されたものです。サヴォイア家の宮殿の一つ。
内部の装飾はそのままに、現在は市立古典美術館として一般公開されています。
サン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂(Cattedrale metropolitana di San Giovanni Battista)
1498年完成の王宮の隣にあるトリノのドゥオモ。バロック様式とルネサンス様式の複合です。現在は通行できませんが、かつては王宮からチャペルを通って直接行くことができたのでしょう。
聖遺物であるイエス・キリストの遺体を包んだと伝えられる聖骸布が収められている聖堂です。多くの人々が、聖骸布が収められた棺の前で祈りをささげています。
サンタ・マリア・デル・モンテ・カップチーニ教会(Chiesa di Santa Maria del Monte dei Cappuccini)
市街地からポー川を挟んだ高台の上にあります。ここからの景色は、トリノの街やアルプス山脈を見渡すことができる絶景です。王宮から徒歩30分くらいかかりますが、行く価値はありますよ。
エジプト博物館(Museo Egizio)
1824 年創設。トリノを代表する博物館です。古代エジプトに関する博物館としては、エジプトのカイロに次ぐ規模を誇ります。死者の書やミイラ・副葬品の数々など貴重な資料が展示されています。また、イタリアでもいち早く新しい博物館の運営方法を導入するなど、博物館運営に興味がある人にもおすすめの博物館です。
国立映画博物館&モーレ・アントネリアーナ(Museo Nazionale del Cinema – Mole Antonelliana)
国立映画博物館は、映画好きにはぜひ訪れてもらいたいスポットです。実写だけではなく、アニメーションについても解説があります。
モーレ・アントネリアーナはトリノ市のシンボル。最初はシナゴーグとして構想されましたが、その後トリノ市が購入して国家統一の記念碑となるように建設しました。尖塔へと上ることができる展望エレベーターはおすすめですよ。
トリノ自動車博物館(MAUTO – Museo Dell’automobile di Torino)
自動車車好きにおすすめ。自動車の歴史を中心に世界中の 80 のブランドから 200 台以上を保管展示しています。
ユヴェントスミュージアム(Juventus Museum)
サッカー好きにおすすめ。イタリアセリエAの強豪ユヴェントスのホームスタジアムにある博物館です。ユヴェントスのサポーターは必見のスポットです。
LAVAZZAミュージアム(Museo LAVAZZA)
カフェ好きにおすすめ。1895年にトリノで誕生したコーヒーメーカーのLAVAZZA社のミュージアム。博物館の他、工場見学や最後にはカフェの試飲もできます。
トリノの中央市場(Mercato centrale)
フィレンツェ・ローマ・ミラノと同様にトリノにもメルカート・チェントラーレがあります。夜遅くまで開いていますし、一人でも手軽に郷土料理を楽しむことができて便利です。
また、朝一の規模はイタリアで今までに見た中で一番の賑わいでした。地元の人と一緒にここで食料を購入して、アパート滞在も素敵ですね。
観光案内所
無料のシティマップあり。観光カードのトリノ+ピエモンテカードも購入可能。
トリノ+ピエモンテカード(TORINO+PIEMONTE CARD)
トリノ市を中心にピエモンテ州の見どころとなる博物館は、ほぼすべて無料または割引価格で入場することができる非常にお得な観光カード。ピエモンテ州を周遊するなら、買っておいて損はないでしょう。
公共交通機関は無料にはなりません。しかし、観光案内所にて、バスとトラムが乗り放題となる「biglietti dei trasporti pubblici di GTT “Tour”」の48時間券や72 時間券を割引価格で購入することが可能です。また、スペルガ聖堂へのケーブルカーやLa Venaria Realeへのバスチケット、トリノ-Caselle空港のバスチケットなども割引対象です。
トリノ+ピエモンテカードはオンラインのほか、観光案内所で購入可能です。
入場できる施設数に制限がない48時間以上有効のカード(2days, 3days, 5daysカード)がおすすめです。
- 24時間(1day)29ユーロ
- ただし、入場できるのは3施設まで
- 48時間(2days)38ユーロ
- 72時間(3days)44ユーロ
- 120時間(5days)49ユーロ
有効期限は、最初に入場した施設でQRコードをスキャンした時間から開始です。
カード本体がなくともQRコードがあれば有効なので、購入したらすぐに写真を撮っておくことをおすすめします。
入場無料となる主な博物館・美術館
- エジプト博物館:15ユーロ
- 王宮:15ユーロ
- 国立映画博物館:12ユーロ(火曜休館)
- 東洋博物館(MAO):10ユーロ(土日のみ開館)
- トリノ自動車博物館(MAUTO):15ユーロ
- マダマ宮:10ユーロ(火曜休館)
- ユヴェントスミュージアム:15ユーロ(火曜休館)
- LAVAZZAミュージアム:10ユーロ(月・火曜休館)
- Palazzo Carignano:5ユーロ(土日のみ開館。予約必須)
- Villa Della Regina:7ユーロ(月曜休館)
トリノの特産品
ビチェリン(Bicerin)
エスプレッソ・ホットチョコレート・生クリームの三層でできた暖かい飲み物です。
トリノ中心部にあるCaffè al Bicerinが発祥の地とされています。混ぜずに飲む方がおすすめだそうですよ。
バーニャカウダ(Bagna Caoda)
日本でもおなじみですが、元々はピエモンテ州の郷土ソースです。アンチョビ、ニンニク、オリーブオイルを混ぜ合わせた暖かいソースで野菜に良く合います。
その他、ヴィテッロ・トンナート(Vitello tonnato)や名産品のバローロワインを使用したブラザート アル バローロ(Brasato al Barolo)など肉料理を中心にピエモンテ州の伝統料理を味わうことが可能です。また、ナッツのペーストとチョコレートを合わせたジャンドゥーヤチョコ(gianduja)はトリノで誕生しました。
トリノへの行き方
公共交通機関でお越しの場合
- ミラノから:急行(RV)直通で2時間。2等車で片道12.45ユーロ。特急フレッチャロッサで1時間。36ユーロ。
- アッシジ・ペルージャから:急行や普通電車(RV・REG)でフィレンツェS.N.M駅まで行き、その後特急列車に乗り替えがオススメ。普通列車の乗り継ぎのみで行くとことも可能ですが、10時間近くかかります。普通列車(2等車)のみで片道53,60ユーロ。
- フィレンツェから:普通列車乗り継ぎで約7時間以上。2等車で片道34.45ユーロ。特急フレッチャロッサで直通3時間10分。71ユーロ。
- ローマから:普通列車乗り継ぎで約12時間。2等車で片道47.55ユーロ。特急フレッチャロッサで直通4時間20分。100ユーロ。
お車でお越しの場合
- ミラノから約1時間50分(144km)
- ペルージャから約6時間20分(548km)
- アッシジから約6時間40分(584km)
- フィレンツェから約4時間50分(399km)
- ローマから約7時間35分(670km)
まとめ
ミラノでの用事ついでに訪れたのですが、見どころが多く、正直、1日だけでの滞在では全然時間が足りませんでした。また、工事中の見どころスポットが多く、ちょっとタイミングが悪かったですね(笑)しかし、10月末からトリノで行われるチョコレートの祭典「Cioccolatò」の時期だったことラッキーでした。次回は2~3日じっくりと回りたいと思います。
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