
Ciso!先日、ヴィテルボに日帰りで行ってきたのレポートします。
ヴィテルボとは?






ヴィテルボはローマの北西に位置しラツィオ州ヴィテルボ県の県都です。
起源はエトルリアまで遡ると考えられており、そのころの名前でもあるトゥーシア(Tuscia)地方の名でも知られています。
イギリスのカンタベリーからローマ主要巡礼路であるイギリスのカンタベリーからローマを結ぶフランチージェナ街道(Via Francigena)の主な中継地として古くから巡礼者の信仰を集め栄えてきました。
現在でも周辺地域へのバスの発着点でもあり、ここを拠点に旅することにもオススメです。
名産品は栗やヘーゼルナッツ、クルミなどの山の幸。
伝統料理にはシンプルな野菜スープのアクアコッタなどがあります。
その他、主要産業として陶器の街としても知られていますね。
教皇の街
ヴィテルボは「教皇の町(Città dei Papi)」としても有名です。この街は多くの教皇を輩出しているのですが、特に次期教皇の選出会議であるコンクラーヴェ(Conclave)が初めて行われたことで有名です。
13世紀、第183代ローマ教皇クレメンス4世の後継を決めるための教皇選出会議が当時の教皇の住まいであったヴィテルボの教皇宮のホールで行われていました。会議は長引き、次の教皇は約3年たっても決まりませんでした。そこで、業を煮やした市民がホールの外から鍵をかけて時期教皇が決まるまで枢機卿たちが外に出られないように閉じ込めてしまいました。実際には、早く決まるように食事の制限や屋根までも取ってしまったという話もあります。これが初のコンクラーヴェといわれています。コンクラーヴェはラテン語で「鍵がかかった」という意味です。
この時に選出された第184代ローマ教皇グレゴリウス10世が、なるべく早く教皇を決めることができるように、現代まで続く教皇選挙の様式である密室選挙、コンクラーヴェを確立したと伝えられています。
ヴィテルボのみどころ
教皇宮殿(Palazzo papale/Palazzo dei Papi)と大聖堂付属博物館






ヴィテルボのシンボルともいえるのが、この教皇宮殿です。
教皇アレクサンデル4世の時代、ローマでの教皇派と皇帝派の対立などから逃れるため、1257年頃、一時的にローマ教皇庁がヴィテルボに移されました。その後、幾人かの教皇が拡張を加え、教皇宮殿は現在の形になりました。
この宮殿にあるコンクラーヴェの間(Aula del Conclave)にて1271年、33か月にも及ぶ教皇決定会議の末に、初のコンクラーヴェが行われたと伝えられています。
チケットには教皇宮殿・大聖堂・大聖堂付属博物館の貸出オーディオガイドがついており、すべて聞くと1時間以上(ハイライトだけでも45分)はかかります。(日本語はなし)
サン・ロレンツォ大聖堂(Cattedrale di San Lorenzo)




司教座がおかれているヴィテルボの大聖堂です。
シンプルながらも荘厳さが伝わります。
内部には、クレメンテ4世やダンテの『神曲』にも登場する教皇ヨハネス21世をはじめとする教皇たちのお墓もあります。
サン・ペッレグリーノ地区(quartiere di San Pellegrino)




中世の街並みが残る地区。陶器などの工房もあり、散策にオススメです。
可愛らしい小路やアーチなど見どころがいっぱいです。
ゴンファローネ教会(Chiesa del Gonfalone/Chiesa di San Giovanni Battista)




サン・ペッレグリーノ地区近くにある天井画が見事な教会。必見です。
サンティッシマ・トリニタ教会と回廊(Chiesa della Santissima Trinità)






中心地とは少し離れたところにある教会です。プリオーリ宮のテラスから見えている教会ですね。
教会を出たら、地元の人に教会に隣接する回廊は行ってみたかと言われて行ってみるとびっくりしました。
本当に見事なフレスコ画が残っています。
プレヴィシート広場(Piazza del Plebiscito)

ヴィテルボのメイン広場。
プリオーリ宮(Palazzo dei Priori/Musei dei Portici)






現市庁舎。絵画や室内装飾が中心の市営博物館として一般公開もされています。
議会場の他、中世の頃の近隣の都市を描いたホールの天井画などを見学することができます。
ユニオン劇場(Teatro dell’unione)
内部の見学ができるガイドツアーが開催されています。
市立博物館(Museo Civico “L. Rossi Danielli”)
こちらも市営博物館ですが、こちらは近隣地域から出土した考古学品などを中心に展示されています。
国立考古学博物館(Museo Nazionale Etrusco Rocca Albornoz)

近隣地域から出土したエトルリア時代の品を主に収集・展示しています。
ヴィテルボの地下とテンプル騎士団博物館ツアー(Viterbo Sotterranea/Museo dei Cavalieri Templari)




ヴィテルボには、オルヴィエートなどと同じく、地下にはエトルリア時代に掘られたトンネル遺跡が多く残っています。これらのトンネルは住居や倉庫、井戸などとして使われてきました。約60分のガイドツアーでは、実際に地下へ降りて、トンネルの現在の様子を見ることができます。
オルヴィエートよりは見学コースの規模は短いのですが、2025年中には近年新しく見つかったエトルリア時代の色鮮やかなネクロポリスの地下遺跡ツアーが始まるそうですよ。
ヴィテルボパス(Viterbo Pass)
以下の施設に入場できるお得な観光パスです。
- Polo Monumentale Colle del Duomo
- Palazzo dei Priori e Museo dei Portici
- Teatro dell’unione
- Museo Civico Luigi Rossi Danielli
- Museo della ceramica della Tuscia
- Museo del Sodalizio dei Facchini di Santa Rosa
18,00ユーロ(購入日から6か月間有効)
詳しくは、https://www.archeoares.it/viterbo-pass/
ヴィテルボのインフォメーションセンター

ヴィテルボへの行き方
公共交通機関でお越しの方

ヴィテルボにはヴィテルボ・ポルタ・ロマーナ駅とヴィテルボ・ポルタ・フィオレンティーナ駅がありますが、ポルタ・ロマーナ駅着の方が本数も多く便利です。
- ローマ・テルミニ駅から:サン・ピエトロ(S. Pietro)駅などで乗り換え、約2時間20分。片道5,60ユーロ~
- または、メトロA線(Battistini行)でヴァッレ・アウレリア(Valle Aurelia)駅まで行き、TrenitaliaのFL3線に乗り換え。約2時間20分。片道1,50ユーロ+5,10ユーロ~
- ローマ・ティブルティーナ駅から:普通(R)で直通約2時間10分。片道5,60ユーロ~。※乗り換えが必要な場合もあり。
- オルヴィエートから:Cotral社のバス(Viterbo行)が運行していますが、あまり本数はありません。
お車でお越しの方
- ローマから約1時間20分(82km)
- フィレンツェから約2時間30分(214km)
- オルヴィエートからら約50分(45km)
- ペルージャからら約1時間30分(127km)
まとめ
今回は、ヴィテルボの街を解説しました。ローマから1日日帰りで訪れるも良し、この街を拠点に近隣のチヴィタ・ディ・バーニョレージョやボマルツォ、モンテフィアスコーネやボルセーナなどに日帰りで出かけるのもオススメですよ。
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