Ciao!今回はDichiarazione di Residenza(住民登録)の方法について解説します。
1年程度の短期滞在では住民登録まで行う方は少ないと思いますが、滞在許可証を所有しての長期滞在では住民登録を行っておいた方が良い場合もあります。大家さんの協力が必要です。事前に相談しつつ、進めましょう!
どこで申請するの?
お住いのComuneのUfficio Servizi Demograficiで申請します。
『Dichiarazione di Residenza extra UE 住んでいるComune名』で検索して、自治体別の詳しい情報や申請用Moduloについては各自でご確認ください。
申請方法は?
① Comuneの「Ufficio Servizi Demografici」窓口へ直接出向く。
申請書の書き方がわからなくても教えてもらえるので、安心です。コロナ禍で予約が必要など、制限がある場合もあります。
② 郵便書留(raccomandata)で提出する。
③ メールで提出する。
ただし、次のいずれかの条件が満たされている場合に限ります。
A)宣言がデジタル署名で署名されていること。
B)電子IDカード(CIE)、国家奉仕カード、またはいずれの場合も申告者の識別を可能にするツールを使用して、コンピューターシステムによって作成者が識別されること。
C)宣言は、宣言者の認証された電子メールアドレスを介して送信されていること。→PEC
D)手書きの署名が付いた申告書のコピーと申告者の身分証明書のコピーがスキャナーによって取得され、通常の電子メールで送信されていること。
今回は、外国人ということもあり、念のためPECと申請書のスキャン・身分証明書のコピー(③C&D)で申請しました。
PECについては別記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。
必要書類は?
・有効なパスポートの顔写真ページのコピー
・Permesso di soggiornoのコピー
・Permesso di soggiorno申請受付書のコピー(更新など申請中の場合)
・Codice Fiscaleのコピー
・賃貸契約書orDichiarazione di Ospitalitàのコピー
・物件の売買契約書(Dichiarazione di Ospitalitàの場合)のコピー
・大家さんの身分証明書のコピー
・Modulo dichiarazione di residenza
・Allegato 1
・Allegato 2
申請する自治体によって異なります。その他、イタリアで婚姻関係がある場合は追加の書類が必要になります。
書類の書き方例
Modulo dichiarazione di residenza
* 必須事項
** 統計のために必要であり、記入は自由
*** 運輸省に関連しているデータ。必要な場合のみ記入
DICHIARAZIONE DI RESIDENZA(居住宣言)
□Dichiarazione di residenza con provenienza dall’estero. Indicare lo Stato estero di provenienza GIAPPONE
(海外からの居住宣言。出身国を示す)
→□にXを記入。GIAPPONE(日本)を記入。
IL SOTTOSCRITTO(申請者)
1) Cognome * (苗字)
Nome * (名前)
Data di nascita * (生年月日)
Luogo di nascita * (出生地)
Sesso*(性別)
Stato civile *(配偶者の有無)
Cittadinanza * (国籍)
Codice Fiscale*(税務番号)
Posizione nella professione se occupato: **(役職)
Imprenditore・Libero professionista □ 1(起業家・専門職)
Dirigente・Impiegato □ 2(マネージャー・会社員)
Lavoratore in proprio□ 3(自営業者)
Operaio e assimilati □ 4(ブルーカラー及び関連職)
Coadiuvante □ 5(家業従事者)
→あてはまるものがあれば、□にX
Condizione non professionale: **(雇用状態以外)
Casalinga □ 1(主婦・主夫)
Studente □ 2(学生)
Disoccupato/in cerca di prima occupazione □ 3 (失業中/就職前)
Pensionato / Ritirato dal lavoro □ 4(年金生活者/仕事からの引退)
Altra condizione non professionale □ 5(その他)
→あてはまるものがあれば、□にX
Titolo di studio: **(最終学歴)
Nessun titolo/Lic. Elementare □ 1(学歴なし/小学校卒業)
Lic. Media □ 2(中学卒業)
Diploma □ 3(高校卒業)
Laurea triennale □ 4(学士)
Laurea □ 5(修士)
Dottorato □ 6(博士)
→あてはまるものがあれば、□にX
Patente tipo(免許のタイプ) Numero(番号)
Data di rilascio* (発行日) Organo di rilascio(発行官庁) Provincia di(県名)
Targhe veicoli immatricolati in Italia in qualità di proprietario/comproprietario, usufruttuario/Locatario*
(イタリアで所有者/共同所有者、用益権 /テナントとして登録された車両プレートについて)
Autoveicoli(自動車) Rimorchi(トレーラー)
Motoveicoli(オートバイ) Ciclomotori(スクーター)
→あてはまるものがあれば、□にX
Consapevole delle responsabilità penali per le dichiarazioni mendaci ai sensi degli art. 75 e 76 DPR 445/2000 che prevedono la decadenza dai benefici e l’obbligo di denuncia all’autorità competente.
(利権の没収および所管官庁に報告する義務を規定している大統領令445/2000の第75条および第76条において、虚偽の申告に対する刑事責任を認識しています。)
DICHIARA
□ Di aver trasferito la dimora abituale al seguente indirizzo :(居住地を次の住所に移しました。)
→住所通りに記入
□ Che nell’abitazione sita al nuovo indirizzo si sono trasferiti anche i familiari di seguito specificati(下記の家族も一緒に引っ越しました)
→家族がいる場合に記入
□ Che nell’abitazione sita al nuovo indirizzo sono già iscritte le seguenti persone (è sufficiente specificare le generalità di un componente della famiglia):
(新しい住所にある家には、すでに次の人が登録されている(家族の一員の個人情報を明記するだけで十分です)。)
→記入必須事項ですが、空欄で提出してOKでした。(家のオーナーである友人のセカンドハウスなので、どう書いてよいかわからず…)
□ Tutte le comunicazioni inerenti la presente dichiarazione dovranno essere inviate ai seguenti recapiti:
(この宣言に関連するすべての連絡は、次のアドレスに送信する必要があります。)
Comune Provincia
Via/Piazza
Numero civico
Telefono
Cellulare
Fax
e-mail/Pec
Data (申請日)
Firma del richiedente(申請者署名)
Firma degli altri componenti maggiorenni della famiglia(成人している同居家族の署名)
→一緒に引っ越した家族(成人済み)がいる場合のみ記入
Allegato 1
・賃貸契約書はなし、ゲストで滞在している場合
[6] Di occupare legittimamente l‘abitazione in base al titolo di seguito descritto
→□にXを記入。
『A Titolo gratuito in quanto ospite di proprietario immobile』と記入。
所有者からもらった家の契約書コピーにSezione, folio, particelle, subなどが記載されているので探して記入。
・Agenzia delle Entrateに登録済みの賃貸契約書がある場合
[2] Di essere intestatario del contratto di locazione regolarmente registrato presso l’Agenzia delle Entrate di 登録したComune名; in data 登録日; al n. 登録番号;
→□にXを記入。 その他、Codice Identificativoを記入しておいた方が良いかもしれません。
不動産会社から受け取った契約書にAgenzia delle Entrateへの登録受付書がありませんか?なければ、契約した不動産会社へ問い合わせましょう。
Allegato 2
物件の所有者(ゲストの場合は、招待してくれているオーナー)に記入してもらいます。
賃貸契約書がある場合は、記入の必要なし。
手続きの必要日数は?
通常2営業日以内に登録されるとなっています。
私の場合、9/14に送って、15日後の9/29に連絡がありました。(Allegato1について記載内容に不備があったようです)
9/30に受付が完了した後は、メールで受付書が送られてきました。
10/5 10:30ころにvigileから電話で在宅確認があり、警官一人が実際に住んでいるかの確認に訪れました。たまたま午前中の授業が中止になっていた時だったので助かりました。
Agenzia delle Entrate(税務署)へ住所変更の連絡は必要?
SSN健康保険証の郵送など心配な場合もあるかと思います。
ResidenzaとDomicilio(郵便などの配達先、課税対象地)が別の場合は、別途Agenzia delle Entrateへ変更連絡する必要がありますが、基本的にComuneで登録・変更すると情報は共有されるようです。
実際、2021年Agenzia delle Entrateの住所登録はペルージャのままSSN申請をした際、Tessera sanitariaはアッシジへ配達されませんでした(まさか税務署と保健所のデータがつながっているとは思わず…)。その後アッシジでComuneに日本から新規でResidenza登録。住民登録後に2022年分のSSNの更新を行いましたが、Tessera sanitariaはきちんとアッシジの住所へ配達されました。
La dichiarazione di dimora abitualeとは?
いったん住民登録(Anagrafe della residenteに登録)をすると、滞在許可証の更新ごとにLa dichiarazione di dimora abituale(居所の宣言)を更新する必要があります。
更新しないままにしておくと、滞在許可証有効期限の6か月後には住民登録が取り消され、SSN加入などの権利がなくなる恐れがあります。必要な人は忘れずに更新しましょう。
更新期間は?
Permesso di soggiorno(滞在許可証)有効期限から60日以内。
→アッシジの場合、更新されたpermesso di soggiornoを受け取ってから手続きするので半年以上先になることもあります。
必要な書類は?
- 更新したpermesso di soggiorno または carta di soggiorno
- 更新中の場合は古い許可証と申請受付証(ricevuta richiesta)
- 申請用紙(Modulo)
- 各ComuneのHPからDLできる場合が多いです。HPに見当たらない場合は、管轄のUfficio Servizi Demograficiに問い合わせましょう。
申請方法は?
Dichiarazione di Residenza(住民登録)と同じく、お住いのComuneの「Ufficio Servizi Demografici」に申請します。
① Comuneの「Ufficio Servizi Demografici」窓口へ直接出向く。
② 郵便書留で提出する。
② メール・PECで提出する。
ゴミ処理税(TARI /Tassa sui rifiuti)はどうする?
ゴミ処理税(TARI /Tassa sui rifiuti)に関しては、物件の所有者ではなく実際に住んでいる人に支払い義務があります。基本的に大家さんがまとめて支払ってる場合が多いので、名義変更については住民登録とあわせて相談して決めましょう。セカンドハウスとして登録している住宅にメインで居住するとなると、登録種目の変更など調整が必要になります。
どこで申請するの?
Ufficio Tributiで申請します。『TARI comune名』で検索すると連絡先などを調べることができます。
必要書類
- MODELLO DENUNCIA TARI(申請書)
- 自治体ごとにフォーマットは違います
- 家の面積などが確認できる売買契約書や賃貸契約書のコピー
- 身分証明書(パスポートなど)のコピー
- 物件所有者の身分証明書 のコピー
申請書類の書き方
詳しくは、家のオーナーと確認ながら記入しましょう。
DICHIARAZIONE TARI TASSA SUI RIFIUTI(廃棄物に関する税/TARI 申告)
CONTRIBUENTE(納税者)
Utenza domestica(住居として使用)
・COGNOME(苗字)
・NOME(名前)
・LUOGO E DATA DI NASCITA(出生地)
・CODICE FISCALE(税務番号)
・EMAIL/PEC(メールアドレス)
・RESIDENZA:(居住地)
CITTA’ , PROV. ,VIA , n.
・TEL. (電話番号)
・RECAPITO (da compilare solo se diverso dalla residenza): (主な居住地と違う場所に対する申請の場合に記入)
CITTA’ , PROV. , VIA , n.
DESCRIZIONE INSEDIAMENTI(居住形態の説明)
・Data di inizio occupazione(居住開始年月日)
・Via e numero civico(通り名と番号)
・Destinazione dei locali e delle aree(敷地とエリアの目的)
→『ABITAZIONE PRINCIPALE』(メインハウス)
DATI CATASTALI(地籍データ)
・Foglio, Particella, Sub, Categoria, Superficie catastale/consistenza, Vani catastali
→売買/賃貸契約書の通りに記入
IMMOBILE DETENUTO/OCCUPATO A TITOLO DI:(所有権/占有権:)
・ゲストとして滞在している場合
□ALTRO DIRITTO REALE
→□にXと『OSPITARITÀ』と記入
・賃貸契約書がある場合
□LOCAZIONE: ○MOBILIATA ○NON MOBILIATA
→□にXと、あてはまる○にX
INDICAZIONE DELLE SUPERFICI (espresse in metri quadrati)
・Superficie calpestabile (MQ)(居住面積)
・Aree scoperte operative (MQ)(使用している戸外エリア:駐車場など)
・Altre aree scoperte esenti (MQ) (免除された戸外エリア)
・Totale superficie tassabile(総課税面積)
・TIPO DI AGEVOLAZIONI, RIDUZIONI O ESENZIONI (richieste con apposita domanda)
(施設の種類、削減または免税(別途申請の必要あり))
・ZONA SERVITA(すでにゴミ収集されている地域か)
→SI or NO にX
ALTRE INFORMAZIONI (obbligatorie)(その他の情報)
・Locale precedentemente occupato (barrare con una X)
(すでに登録済み物件の場合、Xでマーク)
→支払者名変更の場合などは□にX
・Nome e cognome del precedente intestatario dell’utenza TARI
(前TARI支払者の氏名)
→前の支払者がいる場合に記入
・Nome e cognome del proprietario dell’immobile (obbligatorio)
(物件所有者氏名・記入必須)
→物件の所有者の氏名を記入
Componenti nucleo familiare del dichiarante:(宣言者の家族数)
→当てはまる人数にX
手続きの必要日数は?
不備がなければ、次の日には受付書が送られてきました。
申請方法は?
窓口またはメール/PECでの申請となります。
コロナ禍で窓口での受付を停止している場合がありますので各自治体へ問い合わせてみてください。
支払方法は?
1年間のゴミ処理税は、年2~4回に分けて分割で支払います。支払期日や分割回数、金額などは市(コムーネ)ごとに毎年違い、市議会を経て決定されます。また、年度途中で登録した場合は、月割が適用されます。
登録手続きが完了すると、その年から毎年1回、支払いのお知らせ兼支払い用紙が第1回目の支払期日(1゜rata)の約10日前にまとめて郵便で届きます。Modulo F24と呼ばれる様式で、銀行や郵便局の窓口の他、オンラインからでも支払いが可能です。届いた用紙をそのまま持参して郵便局で支払いましたが、支払手数料はかかりませんでした。なお、支払期日を前倒してまとめて支払うことも可能です。
TARIの計算方法は?
一般住宅用やセカンドハウス用などの用途、占有面積や居住人数によって金額は決定されます。
一般住宅用の場合、
- Quota Fissa(居住人数ごとに設定/㎡)×居住スペース(㎡)
- Quota Variabile(居住人数ごとに設定)
- 環境税(上記合計の5%)
の合計で決まります。
参考までに、アッシジの2022年度の住宅用の金額は以下の通りです。
居住人数 | Tariffa fissa (1㎡あたり) | Tariffa variabile |
---|---|---|
1人 | 0,658822 | 144,093319 |
2人 | 0,720108 | 230,549310 |
3人 | 0,781394 | 288,186638 |
4人 | 0,842680 | 317,005302 |
5人 | 0,896305 | 417,870625 |
6人以上 | 0,942269 | 489,917285 |
住宅用47㎡で1人暮らしの場合、アッシジの2022年度は年間184ユーロ(端数調整あり)です。
0,658822×47㎡+144,093319=175,057953
175,05×5%=8.7525
合計 183,811ユーロ
今年はQuota Variabileが大幅に値上がりしたおかげで、他の大都市よりもかなり高額です。他の都市を調べてみたところ、1人暮らしの場合、Tariffa variabileは大体80~90ユーロ前後でした。去年は84ユーロだったので、かなりの負担増ですね。その分Tariffa fissaは約半額になり調節したようですが、焼け石に水です(泣)
まとめ
今回は住民登録とゴミ処理税について解説しました。2つの申請は別々に行うので面倒ですが、きちんと申請しておきましょう。引っ越しした時や日本へ完全帰国する際には住民票を抜く&名義変更手続きもお忘れなく。とくにTARIはずっと請求されることになりますよ。
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