Ciao!チッタ・ディ・カステッロへ行ってきたのでレポートします!
チッタ・ディ・カステッロとは?
チッタ・ディ・カステッロ(Città di Castello)は、ペルージャから北に55km離れたところにあり、トスカーナ州とマルケ州に接する山間の都市です。以前は印刷業や織物業、たばこ産業などで栄え、小さな工房が現在でも街の中に残っています。
2021年にはBS日テレの『小さな村の物語』でも取り上げられたようですね。“小さな村”に当てはまるかは個人的に疑問ではありますが(笑)
イタリア前衛美術の先駆者アルベルト・ブッリ(Alberto Burri)の生まれ故郷としても知られ、ルネサンス~現代にいたるまで数多くの美術作品が生まれた地として名を馳せています。
テーマ別のおすすめ観光コースも用意されており、お好みに合わせて観光することができますよ。
2024年現在、Google Mapの検索では、ウンブリア州からだとトスカーナのアレッツォ経由などが表示され、行くのに少し難しく感じるかもしれませんが、実は中央ウンブリア鉄道というものが運行しており、ペルージャやポンテ・サン・ジョヴァンニから電車または代行のバスで行くことができます。
ラウラ(Sora Laura)の伝説
現在は市立美術館であるPalazzo Vitelli alla Cannoniera元々は地元の有力貴族の邸宅で、「ラウラ(Sora Laura)の伝説」が残る館です。
伝説によると、ラウラは若くとても美しい女性で当時の当主の愛人でした。当主は正妻ではなく、彼女をこの館に住まわせました。ラウラは最初のうちはハンカチに刺繡などをして穏やかに過ごしていましたが、戦争などの理由により愛する人がなかなか戻らなくなると、彼女は寂しさを感じるようになりました。ある日、部屋の窓から若く美しい一人の騎士がラウラの部屋の下を通るのを見かけると、彼女は持っていたハンカチを窓から落としました。親切な騎士はハンカチを持ち主に返そうと館にやってきます。彼と過ごした後、ラウラは他の人にバレないように秘密の扉から帰そうとしますが、実はその扉の先は武装された落とし穴であり、罠により騎士は死んでしまいます。何人もの男性がこのような最期となったそうです。この話は広がり、彼女の死後も、満月の夜にはラウラの霊がハンカチを落としているという噂は長い間信じられ続け、若い男性は夜にラウラの部屋の下を通るのを避けていたと伝えられています。
チッタ・ディ・カステッロのみどころ
大聖堂(Cattedrale dei Santi Florido e Amanzio)
ルネサンス建築の2層式大聖堂です。
サン・フランチェスコ教会(Chiesa di San Francesco)
ブレラ美術館所蔵のラファエロ作『聖母の結婚(Sposalizio della Vergine)』やロンドン・ナショナルギャラリー所蔵のシニョレッリ作『羊飼いの崇拝(Adorazione dei pastori)』は、元々この教会のために制作された作品です。現在、この教会では、レプリカが展示されています。
また、入って左手には1500 年代半ばにジョルジョ・ヴァザーリ設計により建てられた礼拝堂があり、中にはヴァザーリ作『聖母戴冠(Incoronazione della Vergine)』があります。
マドンナ・デッラ・グラッツェの聖域(Santuario della madonna delle grazie)
ピエロ・デッラ・フランチェスカの弟子であるジョヴァンニ・ディ・ピエモンテ作『Madonna delle Grazie』は、毎月26日のほか、1/1、 1/30-2/2、5/31、8/23-8/26、12/8にのみ公開されます。
市立絵画館(Pinacoteca Comunale)
ゴシック期以降の作品が収蔵されている市立の絵画館です。ラファエロ・サンティやルカ・シニョレッリの作品もいくつか展示されています。
Fondazione Burri
旧市街内:Palazzo Albizzini
アルベルト・ブッリの前期作品(1948年から1985年)が展示されています。
郊外:Ex Seccatoi del Tabacco
旧市街から20分ほど歩いた郊外にあり、旧たばこの乾燥工場を利用した美術館です。ブッリの後期作品(1974年~1993年)が展示されています。本当に広く、足早で回っても2時間半かかりました。
ウンブリア織物工房兼博物館(Laboratorio e Museo di Tela Umbra)
現役の織物工房。博物館としても解放されており、内部の見学も可能です。モンテッソーリ教育で知られるマリア・モンテッソーリ女史の協力者であったFranchetti夫妻によって設立されました。
観光案内所
チッタ・ディ・カステッロへの行き方
公共交通機関でお越しの方
- ペルージャから:ペルージャの旧市街にあるペルージャ・サンタ・アンナ(Perugia S.Anna)駅から中央ウンブリア鉄道(Ferrovia Centrale Umbra)で約1時間50分。片道4.2ユーロ。
- Trenitaliaのペルージャ駅発ではないので要注意。
- その他の都市から:電車(Trenitalia)でペルージャ・ポンテ・サン・ジョヴァンニ(Perugia Ponte San Giovanni)駅へ行き、中央ウンブリア鉄道(Ferrovia Centrale Umbra)に乗り換えて約1時間50分。
- 運行会社が違うのでチッタ・ディ・カステッロまでの接続切符が買えない場合があります。ポンテ・サン・ジョヴァンニで購入するか、中央ウンブリア鉄道の車掌さんから購入しましょう。
- アレッツォからバスで約1時間30分。Sansepolcroなどで乗り換える必要あり。
チッタ・ディ・カステッロ駅から中心街までは、7分ほど歩きます。
車でお越しの場合
- ペルージャから約50分(53km)
- アッシジから約1時間(70km)
- フィレンツェから約1時間40分(160km)
- ローマから約2時間45分(225km)
まとめ
今回は、チッタ・ディ・カステッロの街を解説しました。ペルージャから電車で行くこともでき日帰り旅行にもオススメです。街自体は比較広いのですが、すべて平地で徒歩で簡単に回ることができます。テーマ別の散策コースも設定されており、観光しやすい街ですよ。郊外にあるEx Seccatoi del Tabaccoは、友人の観光ガイドがおすすめしてくれたので行ってみましたが、本当に見ごたえがありました。ただし。時間がかかりますのでご注意ください(笑)他にも印刷博物館など見どころがあるのですが、訪問した日は定休日だったようです。
[PR] チッタ・ディ・カステッロのホテルを探す
コメント