Ciao!今回は、テルニ近郊のマルモレの滝へ行ってきたのでレポートします。
マルモレの滝とは?
マルモレの滝(Cascata delle Marmore)とは、テルニ近郊約7kmのマルモレにある人口の滝です。その歴史は古く、紀元前 271 年にローマ人によって造られました。人工滝としては現在ヨーロッパ最大級。高さ165m、最大落差は83mの3段の滝です。年間約50万人の観光客が訪れるウンブリア州でも屈指の観光スポット。また、テルニ近郊の方にとっては避暑&憩いの場所ですね。
かつて、この地域は、Terni盆地とRieti盆地には高低差もあまりなかったため、堆積物などにより水が停滞するポイントでした。湖形成には役立ちましたが、淀んだ水が溜まり、病気が発生する箇所でもあったそうです。そのため、ローマ人による統治領となった後、環境改善のための治水事業として運河や滝の建設が始められたと伝えられています。実際、1段目の滝の斜面は約90°と直角になっています。その後、水流調整のためにいくつもの伏流が作られたりしながら現在の形となっています。
マルモレの滝は様々な画家によって描かれたり、17世紀から19世紀にかけての貴族子弟によるグランドツアーのルートの一部になったりして一躍有名になりました。また、マルモレ周辺はその水力発電により、テルニの工業を長年支えてきました。現在でもマルモレの水力発電所はイタリアの電気供給を支えています。
マルモレの滝を訪れる際は、動きやすい服装、スニーカーやトレッキングシューズなどで行きましょう。また、水しぶきで濡れるポイントもあるのでレインコート・ポンチョがあると安心です。(公園内で1~2ユーロで購入することも可能です)
メインの出入り口となるのは、下の展望台であるBelvedere Inferioreです。駐車場も多く、またバスも頻繁に通ります。
公園自体は3時間程度で大部分を見学することが可能ですが、ピクニックで1日中滞在することも可能です。広場や近隣では結構多くの売店があり、他の観光地に比べると比較的良心的な価格で軽食が購入できますよ。
また、ラフティングや各種水辺のアクティビティも予約制で参加することもできます。
なお、水の放流スケジュールが決まっています。開園時間と放流時間は毎月細かく設定されていますので、詳しくは公式HPでご確認ください。放流開始から約15~30分かけて、マックスの水量となります。
例えば2024年7月の場合は以下の通りのスケジュールです。
開園時間 | 放流時間 | |
---|---|---|
月-金 | 10:00 – 19:00 | 11:00 – 13:00、15:00 – 18:00 |
土 | 9:00 – 22:30 | 10:00 – 13:00、15:00 – 19:00、21:00 – 22:00 |
日・祝日 | 9:00 – 22:30 | 10:00 – 19:00、21:00 – 22:00 |
マルモレ滝の歩き方
まず、滝のエリア分けとしては、
- 滝の下部に位置しているのは、Piazzale Byron、Sentiero②,③,④
- 滝の上部に位置しているのは、Sentiero⑤、博物館Hydra
- 滝の上下を繋ぐのは、Sentiero①、⑥
といった構造です。
体力に自信がない方・時間がない方は、滝を下から見るPiazzale Byron→②,③だけでも十分に楽しめます。
日頃運動はしていないけど、全部楽しみたい方は、上部から始めて下部に降りる⑤→①→②→③→④が良いでしょう。
体力に自信がある方は、④→③→②→①→⑤と下から登るルートが定番ですね。
ハイシーズンには上下部を繋ぐ有料シャトルバスも運行されますので、それも上手く利用しましょう。
⑤以外のコースを巡る場合は、階段などが多いのでベビーカーや車椅子の利用はできません。小さなお子さまがいらっしゃる場合は、Belvedere Inferioreから入り、2~3ヶ所ある広場でのピクニックがおすすめです。
また、上下3か所ある入口(うち1つはSentiero④専用)は、当日中は何回でも出入り可能ですので、チケットはなくさないようにしましょう。
マルモレの滝のみどころ
Sentiero①:L’antico passaggio
一番古くからあるルート。公式マップで言うと、赤色のルートです。滝のそばの森の中にある600段の階段で滝の上下を繋ぎます。上部には、1段目の滝が大迫力で迎える展望台があります。
展望台以外では滝が見えるというわけではありませんので、体力に自信がない方は車やシャトルバスで展望台だけ行くのもオススメです。恋人たちのバルコニー(Balcone degli innamorati)あたりまでは、コンクリート舗装の階段で歩きやすいのですが、その後は簡易舗装となり、運動靴が推奨です。
Sentiero②:L’anello della ninfa
滝をいちばん近くで見ることができるルートです。公式マップで言うと、水色のルート。
2・3段目の滝を間近に見ることができますが、びしょ濡れポイントなので、ポンチョやレインコートで対策をしましょう。
Sentiero③:L’incontro delle acque
木漏れ日と渓流を近くに感じることができる森の中のルートです。公式マップで言うと、黄緑色のルート。多少階段はありますが、水辺の植物を観察したりと、のんびり散策できるルートです。
Sentiero④:Sentiero di Pennarossa – La Maestosità
マルモレの滝全体を見渡すことができる展望台へのルートです。公式マップで言うと、黄色のルート。少し離れたところにあるため、滝全体を見ることができます。上段と下段の2か所の展望台があります。
管理人は上段の展望台から午後1時の放流停止を見届けました。
Byron広場の出入り口の前にある横断報道を渡って道の反対側にある入口から入場する必要があります。Sentiero①と同じく、結構急な階段を上り下りしますので、運動靴推奨です。
Sentiero⑤:La rupe e l’uomo
滝の上部にある無料の公園ゾーン。公式マップで言うと、オレンジ色のルート。近隣の方のお散歩ルートですね。ヴァルネリーナ渓谷(Valnerina)を一望できる展望台や以前使われていたタービンなどの産業遺産を見ることができます。なお、滝自体はあまり見ることができません。
上部のチケット売り場前にある入口から入ることができます。唯一平坦なルートです。
Sentiero⑥:I lecci sapienti
無料ゾーン。公式マップで言うと、茶色のルートです。上下を繋ぐトレッキングルートとなっており、上級者向けです。なお、滝を見ることはできません。
バイロン広場(Piazzale Byron)
下の入口(Ingresso Byron)を入ってすぐのメイン広場です。フォトスポットやバールなどがあります。また、放流開始時には、観察ポイントとしてオススメだと放送されていました。
恋人たちのバルコニー(Balcone degli innamorati)
かなりのびしょ濡れポイント。レインコートやポンチョで覆っていない部分はすべて濡れます。バルコニーはゲリラ豪雨の真っ只中と思ってください(笑)むしろ水着で行きたいほどです。
Sentiero①の途中にあり、下から約200段の階段を上る必要があります。
2024年6月現在、バルコニーは有料ガイドツアー(1人3,50ユーロ)でのみ訪れることができます。1日4回くらい開催されていますが、ハイシーズンはすぐに枠が埋まってしまいます。時間が決まっているなら早めにオンラインからの事前予約がおすすめです。
ヒュドラ博物館(HYDRA – Museo Multimediale Cascata delle Marmore)
マルモレの滝・水力発電に関する歴史や技術を学ぶことができる小さな博物館です。テルニのドラゴン伝説にあやかり、ギリシャ神話のヒュドラーの名前が付けられています。
スマートフォンやタブレットを使ったARやVRなど最新技術を使用した展示が多く、お子さまも楽しめる博物館です。
マルモレの滝への行き方
Belvedere Inferiore
公共交通機関でお越しの方
- テルニから:テルニのバスターミナル(駅から徒歩3分)から郊外行きバス(Extra urbano)E621番線(SCHEGGINOなど行き)で約15分。片道1,30ユーロ(FasciaA)。または、テルニの駅前から市内バス(urbano)7番線で約25分。100分間有効で1,30ユーロ。
- スポレート・アッシジ・ペルージャから:テルニ駅まで鉄道(Trenitalia)で行き、バスに乗り換え。
- ローマから:ローマ・ティブルティーナ(Roma Tiburtina)駅からBusitaliaの郊外行きバス(Extra urbano) E433番線(CASCIA行き)で約2時間17分。片道6,80ユーロ(往復11,00ユーロ)。または、鉄道でテルニ駅まで行き、バスに乗り換え。
電車とバスで行く場合、目的地や出発地を「Cascata delle Marmore」で購入すると、Belvedere Inferioreまでの電車+バスのコンビネーションチケットとなり、バスのチケットを別に買い直す必要がなく便利です。
詳しくは、Trenitalia-Marmore Link
なお、マルモレの滝チケット売り場は駐車場の中にあり、入口から徒歩約3分離れています。
車でお越しの場合
- テルニから約15分(8km)
- スポレートから約35分(33km)
- アッシジから約1時間5分(75km)
- ペルージャから約1時間10分(92km)
- ローマから約1時間45分(117km)
- ラクイラから約1時間27分(90km)
Belvedere Superiore
公共交通機関でお越しの方
- テルニから:テルニ駅から鉄道でマルモレ(Marmore)駅(約15分、片道3,05ユーロ)まで行き、徒歩10分。または、テルニのバスターミナル(駅から徒歩3分)から郊外行きバス(Extra urbano)E624番線(LAGO DI PIEDILUCOなど行き)で約25分。片道1,30ユーロ(FasciaA)
- スポレート・アッシジ・ペルージャ・ローマから:鉄道でマルモレ駅まで行く場合、テルニ駅でRietiやL’Aquila方面へ乗り換える必要あり。
- ラクイラから:Terni行きで約1時間35分。6,40ユーロ。
なお、マルモレの滝チケット売り場から入口までは徒歩約7分離れています。
車でお越しの場合
- テルニから約16分(9km)
- スポレートから約42分(39km)
- アッシジから約1時間13分(81km)
- ペルージャから約1時間18分(96km)
- ローマから約1時間50分(106km)
- ラクイラから約1時間26分(85km)
まとめ
マルモレの滝について解説しました。さすがヨーロッパ最大級というだけあって迫力満点です。ローマやラクイラからも気軽に行けるので、日帰り旅行におすすめですよ。ただし、日頃運動していない場合は、ルート選択に注意しましょう。座り仕事が多い管理人は、上から下へのルートを選択しましたが、その後3日間は筋肉痛でまともに歩けませんでした(笑)
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