Ciao!滞在許可証更新時に日本円での英文残高証明書を提出したらどうもダメだったらしく、急遽ユーロで残高証明できる銀行を探して開設しました。
N26銀行とは?
ドイツが本店の100%オンラインバンクで、すべてがスマホで完結します。ユーロ圏で展開している銀行です。(イギリス・アメリカからは撤退の模様)預金保護に関してはドイツの預金保護制度によって最大 100,000 ユーロまで保証されています。
2022年2月現在イタリアで開設した場合は、イタリアのIBAN(口座番号/ITから始まるIBAN)が付与されますので、特に外国口座開設についてのイタリア国内での手続きは必要ありません。ミラノに支店があります。対応言語は、英語・ドイツ語・イタリア語・フランス語・スペイン語など。英語+居住している国の言語で基本対応してもらえます。
開設可能国一覧(2023年1月現在)
ドイツ、アイスランド、アイルランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、リヒテンシュタイン、ルクセンブルグ
メリット
滞在許可証更新申請中など許可証が手元になく、緊急で必要な場合には大変ありがたい存在です。他の銀行はほとんどの場合で滞在許可証の原本が必要です。イタリアで一般的なPostePay開設にも滞在許可証の原本が必要です。
デメリット
2022年10月、SNSや口コミには突然口座が凍結され資金の引き出しができなくなった事例が報告されています。契約書には、銀行側の判断により顧客の口座を閉鎖する可能性の記載があります。
また、スマホの指紋認証でアプリへのログインだけでなく、PCからのログインも許可するのでスマホ紛失の場合にリスクがかなり高いと感じます。結構怖いですね。特にイタリアでは、ちょっと目を離すとスマホを盗まれたなんて日常茶飯事です。SNS上にはデビットカードとスマホを同時に盗まれ、口座復旧に何日もかかったという体験談もあります。これらが不安な人は、大事な資金はすぐに対処できる実店舗がある大手銀行に預けることをおすすめします。
プランは?
個人利用の場合(イタリア)
・N26 Standard 0,00ユーロ/月 電話サポートなしなどのシンプルなプラン。
まずはこちらのプランで十分だと思います。今のところ困っていません。
※年間平均預け入れ額が5.000ユーロを超えると年間34ユーロの税金がかかります(イタリアの場合)
・N26 Smart 4,90ユーロ/月
・N26 You 9,90 ユーロ/月
・N26 Metal 16,90 ユーロ/月
口座開設方法は?
開設条件
・18歳以上
・サポートしている国に住んでいる(住所がある)
・身分証明書(パスポート)がある
・対応しているスマートフォンを持っている
・N26にまだ口座を持っていない
必要書類は?
(イタリア在住の場合)
- 身分証明書
- 日本のパスポートでOKです
- 日本国籍の場合、身分証明書として利用できるのは、①日本の有効なパスポート、②イタリアの滞在許可証(有効期限が1年以上)、③イタリアの運転免許証+保険証のうち1点
- カメラ付きスマホ
- Codice fiscale(イタリアの個人納税番号)
※2022年2月現在、滞在許可証提示は求められませんでした。
実際の手順
アカウント作成&個人情報入力などはじめはPCからも可能ですが、途中からスマホアプリで本人確認となります。(最初からスマホアプリでも開設可能です。)
【個人情報入力】
① 居住国を選択
② 氏名・メールアドレス・生年月日を入力
③ 電話番号を入力
④ 住所を入力
郵便物の送り先は入力した住所と同じか(はい・いいえ)
⑤ 追加情報を入力(1)
→国籍・出生地・出生国・性別を入力
⑥ 追加情報を入力(2)
→口座開設理由を選択
→働いている国と県を入力(無職の場合は居住している場所を入力)
→資金源を選択(給与など)
⑦ 追加情報を入力(3)
→外国の重要な公人(Persona Politicamente Esposta/Politically Exposed Person)かどうか(はい・いいえ)
⑧ 追加情報を入力(4)
→アメリカ合衆国の市民/グリーンカード所持者かどうか(はい・いいえ)
⑨ 税務情報を入力
→税金を納める国(イタリア)・税務番号(Codice fiscale)を入力
⑩ パスワードを入力
⑪ アカウントを作成
→アプリへ移動
【本人確認手順】
① SMSで認証コードを受け取り、アプリに入力
② パスポートの写真ページを撮影。
→すべての文字がはっきりと読めるように撮影します。何度でもやり直せます。
③ パスポートのホログラムがわかるように撮影
→偽造防止用のホログラムがわかる角度で撮影します。何度でもやり直し可能。
④ いくつかのパスポート情報を入力
⑤ 目線の高さでカメラを持って自撮り(セルフィ―)
→何度でもやり直し可能。
⑥ スマホの位置情報を送信
すべてが完了した後、5分くらいで承認&口座開設できました。口座はすぐに使用可能です。
最近まではテレビ電話で本人確認が必要で質問内容など言語の壁が大きかったようですが、2022年2月時点イタリアでの開設ではテレビ電話での面談はありませんでした。すべてアプリで完結しました。
テレビ電話での面談が必要な方は、質問されたことなどが書いてある体験ブログが多くありますので参考にするとよいでしょう。
Lista d’attesa
毎月提供できる新しい銀行口座の数に一時的な制限を設けている場合があります。
登録したけれど口座番号が送られてこない場合は、ウェイティングリスト登録されています。口座が開設でき次第、折り返し連絡があるようです。
実際に送金してみた
日本の個人口座からWise経由で送金してみました。WiseとN26銀行は提携しています。Wise口座への日本円での振込確認メールの後、すぐにN26銀行にも着金し、アプリにも入金のお知らせが届きました。
イタリアの他銀行から通常振込の場合は、受け取りに1日ほどかかります。(最大2営業日。海外送金などSWIFTの場合は最大4営業日。)
夜に手続きを行い翌々日の朝に入金のお知らせが届きました。
デビットカード発行方法
マスターカード(Mastercard)提携のデビットカードがついてきます。
N26 Standardプランの場合、アプリ内のVisualCardはすぐに使える状態です。オンライン決済やApplePay・GooglePayなどに連携して使用することが可能です。実物のカードが欲しい場合は10ユーロ以上を入金の上、10ユーロ(発行申請から2週間後くらいに口座から引き落とし)で申請します。カードは2週間ほどで郵送されてきます。
管理人の場合は2月5日に申請して2月11日にドイツから普通郵便で到着しました。在宅していなくてもポストに投函されますので、ポストの表札だけは忘れずに。台紙にカードが貼ってあり、そのまま封筒へという日本だとびっくりするような簡易包装ですが、priority郵便で破損なく届きました。
届いたカードはアクティベートする必要があります。N26のアプリからカード表面の氏名の下にある10桁の番号を入力し、暗証番号を設定して初期登録しましょう。
デビットカードはタッチで支払いが完了します。(ただし、金額・店舗による)50ユーロくらいまでは、PINも必要ありません。また、アプリで収支管理もできるので生活費の支払いに重宝しています。オンラインショッピング・海外利用・ATM引き出し・タッチレス決済・利用金額上限などもアプリで簡単に設定・即時変更が可能です。
現金引き出し
円ユーロの為替レートが非常に悪いため、生活費をクレジットカードでのキャッシングではなく、N26銀行からのユーロ引き出しに変更しました。月3回までは引き出し手数料&ATM利用料が無料です。イタリアにある各銀行のATMでの利用が可能なので助かっています。アッシジにある3つの銀行ATMはどこでも使用可能でした。
カスタマーサービスは?
何度かチャットでやり取りしていますが、すぐに返信が届きます。デビットカードのトラブルは、N26を通じてMastercardに異議申し立てを行います。実際、Flixbusのオンライン決済でトラブルになった時も親切に必要な手続きを教えてくれましたし、問い合わせ後数か月モニタリングしていてくれたようで、N26からも返金された旨の連絡が来ました。
残高証明書の取得方法
ダウンロードページから無料でDL(PCのみ)することもできますが、チャットやメールでも依頼できます。
管理人の場合は開設してすぐだからか、DLページからはエラーとなりました。ですので、銀行の署名付きの公式な残高証明書のPDFをメールで依頼したところ、翌日には対応準備に入る連絡が、5日後には残高証明書がアプリへ届きました。(申請時のメールには、口座番号などの個人情報を記入し、滞在許可証更新に使用するから早めにお願いしたい旨を伝えました)3日経っても届かなかったので、チャットから催促したら2日後に届きました。別の機会にアプリチャットからの申請しましたが、対応が早かったです。
なお、DLページからはフランスの銀行口座証明であるRIB(Relevé d’identité bancaire)もDLすることが可能です。
ステータスチェックと追加書類について
N26銀行では定期的に顧客の口座の不正利用チェックを行っています。
2022年2月に開設し、半年後の9~10月に現在のステータスチェックへの回答依頼と追加の書類提出依頼がN26銀行のアプリを通じてありました。詐欺や金融犯罪防止の一環のようです。
必要書類については、書類提出依頼のメッセージに詳しく記載されています。
- イタリアでの居住証明書(Certificato di residenza (住民票)、ビザや大学の在籍証明書など)
- 現住所が確認できるもの(自名義の90日以内に発行された光熱費やインターネットの請求書や賃貸契約書など)
- イタリアでの居住証明書に記載されている住所と現住所が違う場合や、住所自体の記載がない場合。大学の在籍証明書には出生地と国籍しか記載がないので、先月のインターネットの請求書をあわせて提出しました。
- 収入源の証明(最新の給与明細や奨学金の証明書など)
- バイトもしていないし、学生なので提出しませんでした。
- その他の資金源の証明(N26銀行への入金がわかる銀行取引明細書など)
- はじめは資本証明のためかと思い、滞在許可証用に取得していた日本の銀行のユーロ建て残高証明書と、日本の銀行の円建てインターネットバンキング銀行取引記録(英語設定)のスクリーンショット印刷を提出しました。しかし、おそらくN26の口座への入金がわかる書類が必要だと推測されます。
期日までに提出できないと解約措置&返金になってしまうようなので、リクエストがあった場合は早めに対応しましょう。
N26銀行は、SMSを通じて連絡することは決してありません。必ず本人認証が必要なN26銀行アプリやWEBサイトのマイページのメッセージを通じて連絡を取ります。万が一、SMS(特にリンク付き)で直接連絡が来た場合は詐欺なので、メッセージを開かないようにしましょう。
口座閉鎖の危機
(2022年10月23日追記)
留学生(大学の在籍証明書は提出済み)で無収入かつ、日本からのN26銀行への入金の流れを確認できる入金証明書を提出しなかったせいか、突然、14日後の11月6日に口座を閉鎖するという旨のメールが連絡先のGmail(差出人はN26 Notifications)に届きました。現在まで書類不備の指摘などは特にありませんでした。
追加書類の提出依頼には即時対応しているので、手続き忘れが原因ではありません。滞在許可証のための残高証明書対策として、半年に1回100万円くらいの生活費をWISEでN26へ送っていた事実が、マネーローンダリングの疑いをかけられたのかもしれません。ただ、口座には滞在許可証取得に必要そうな金額しか入っていません。生活関連費はすべてN26デビットカードを使用しているので、支出はそれなりにあります…毎月家賃500ユーロの引き出しと食材や学費などのカード支払いです。しかし、内容的に生活費ということはわかるはずです。
すぐにアプリ内のメッセージ&メールを通じて、通知の真偽と、WISEからN26銀行の口座への送金明細書と日本の銀行からWISEに入金した記録がある取引記録明細書を添付して口座閉鎖の撤回を依頼しましたが、どうなるかわからない状況です。いざとなったらPostepay Evolutionへ全額移動せざるを得ません。
(2022年10月26日追記)
チャットやメールを通じて問い合わせた結果、口座閉鎖通知のメールはエラーで送られたものであり、アカウントを閉鎖する措置は講じていないとN26 Supportからメールが届きました。
しかし、文面にはなおも書類提出対応依頼の文面がありました。指定された書類は、指定メッセージを通じて受信した当日と、再度依頼されたため、高解像度で昨日も送信しています。コピペにしても顧客の状況を把握していなさすぎです。
エラーで口座閉鎖通知を送るくらいです。SNSや口コミで指摘されているように突然の口座凍結もエラーで起こりうると思いました。そうなると、資金が戻ってくる可能性は低そう&かなり苦労するようなので、今後はサブバンクとして利用します。
まとめ
ドイツ留学する方には定番のオンラインバンクですが、イタリアではまだまだこれからのようです。メリット・デメリットそれぞれあるものの、今回はメリットが勝ったので開設しました。テレビ面談を構えていましたが、アプリのみであっさり完結してしまったので自分でも驚いています。
とても使いやすかったのですが、突然口座閉鎖のお知らせが届き不信感が増しました。メインバンクで使用していましたが、少額の日々の生活費のみにしておいた方がよさそうです。また、Vodafoneのインターネット料金の支払いもN26の口座では自動引き落としが実行されず…あまりイタリアとの相性はよくないのかもしれません。
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