【ヴァチカン市国(VATICANO)】ローマ教皇の退位とコンクラーヴェ

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Ciao!今回はせっかくなのでローマ教皇退位による影響とコンクラーヴェ(コンクラーベ)について解説します。

目次
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ローマ教皇の退位

教皇空位の間、「使徒座空位」を示す紋章が表示されている(ヴァチカンのHPより)

イタリア時間の2025年4月21日(月)の午前10時過ぎ、ローマ教皇庁より第266代ローマ教皇フランシスコ(Papa Francesco)が同日の朝、午前7時35分に帰天/逝去した(Papa Francesco è tornato alla Casa del Padre/ローマ司教フランシスコは、天の御父のもとに帰られた)と発表されました。

フランシスコ教皇は南米アルゼンチンのブエノスアイレス出身。2013年教皇に選ばれた際には自ら電話をして新聞の購読停止とお礼を伝えたというエビソードや豪華な宮殿ではなくバチカン市国に訪れる人のための一般の宿舎(ホテル)に住むなど庶民的な感覚の持ち主として、信者だけでなく、多くの人々に親しまれてきた教皇様です。とても優しい笑顔が印象的ですね。アッシジの聖フランチェスコのように清貧をつらぬき、弱い立場の人に寄り添い、革新派として教会に多くの良い新しい風を吹き込みました。

発表当日はパスクワ(復活祭)の翌日、パスクエッタの祝日で管理人にとっては1ヶ月待ったサンピエトロ大聖堂クーポラの予約日。大聖堂には入れたもののクーポラや地下ツアーは即日見学中止となっていました。
フランシスコ教皇は2025年2月から長期間入院退していましたが、前日の復活祭のミサの際には人々の前に姿を現していたので突然の訃報にかなりびっくりしました。

教皇の帰天による関連行事

葬列(棺の移送・安置)

2025年4月23日(水)午前9時~
聖遺体が安置されていた礼拝堂(フランシスコ教皇が長年暮らしていた「聖マルタの家」の礼拝堂)から棺がサンピエトロ大聖堂内へ移送され、3日間信者や市民からの弔問を受けます。

葬儀

2025年4月26日(土)午前10時~
教皇葬儀は死後4~6日の間に執り行われることになっています。サンピエトロ広場にて執り行われ、遺言に沿ってサンタ・マリア・マッジョーレ教会に埋葬されます。

各国首脳陣が参列を表明しており、当日や前後の日程でローマ市内では大きな通行制限が予想されています。
→葬列が通る時間帯を中心にバチカン市国~コロッセオ~サンタ・マリア・マッジョーレ教会周辺のバスの運行中止を含む交通規制が発表されました。

コンクラーヴェ

システィーナ礼拝堂にて執り行われます。
2025年5月7日~と発表されました。
※2日目の5月8日午後に終了しました。

コンクラーヴェとは

コンクラーヴェ(conclave)は、ラテン語のCUM(と共に)+CLAVIS(鍵)に由来し、「鍵がかかった」という意味で、キリスト教カトリック教会の教皇選出のための秘密会議(教皇選挙)です。規定では、教皇の退位後(死後)15~20日の間に行われることになっており、外部との接触を絶ったヴァチカン美術館内のシスティーナ礼拝堂で行われます。コンクラーヴェは日本語の響きだとまさに根競べ(笑)といった感じで聞き馴染みがあるかと思います。

かつて長期間(なんと3年間!)に渡り教皇が決まらなかったことが何回かあったため、決まるまで外に出られないように外から鍵がかけられた密室で行われるようになり、現在でもその伝統が守られています。

選挙権を持つ世界中の80歳未満の枢機卿が集められ、次期教皇選出の選挙に参加します。参加者が匿名投票を繰り返し、3分の2以上の得票数を獲得した枢機卿が新教皇として選出される規定です。規定によると、投票は初日は午後に1回、2日目以降は午前に2回、午後に2回行われます。近年では、電子機器の持ち込みは不可、通信できないように妨害電波が流されるなど徹底的に外界との接触を絶つそうですよ。宿泊も参加者は全員聖マルタの家と決められています。超厳戒態勢の元、交渉やロビー活動を経て行われる選挙はまさに秘密選挙ですね。

外部にはシスティーナ礼拝堂に取り付けられた煙突から出される煙の色で新教皇が決まったかどうかを知らせます。黒い煙 (Fumata nera)はまだ決まっておらず、白い煙 (Fumata bianca)が出ると新教皇が誕生した証となります。

教皇に選出された者は、すぐに自身の教皇名を自ら決めた後、サンピエトロ大聖堂の広場を見下ろすバルコニーに出て、在位最初の祝福を民衆に与えることになっています。

現在、日本でも映画『教皇選挙(Conclave)』が公開されており、タイムリーな話題ですね(笑)

カトリック教会関連観光名所の休館

2025年4月24日現在の情報です。最新情報にご注意ください。

サンピエトロ大聖堂・バジリカ

4月21日・22日はオープンしていましたが、4月23日(水)~4月27日(日)午前(予定)まで一般観光客の訪問が不可となります。

4月23日現時点で、サンピエトロ大聖堂公式HPの優先入場予約チケットは4月26日入場分まで販売停止となっています。
なお、予約済みのチケットに関しては自動的にキャンセル&返金となります。
管理人の4/21の予約も後日自動的にキャンセル・返金手続きがされました。(4/23にメールが届き、4/29に返金されていました。)

ちなみにフランシスコ教皇への最後のお別れのための弔問は可能とのこと。
特別開館時間
【4/23】11:00-24:00
【4/24】7:00-24:00
【4/25】7:00-19:00

4月26日(土)は葬儀のため終日見学不可と発表されています。
追加で、4月30日(水)の午後5月4日(日)も関連行事で見学不可とのこと。
※基本的に水曜日と日曜日の午前はサンピエトロ広場で教皇主催のミサが行われるため見学不可。

サンピエトロ大聖堂公式HP
https://www.basilicasanpietro.va/en

サンピエトロ大聖堂・クーポラ

4月21日より見学不可
再開は、4月27日(日)午後予定です。

4月23日現時点で、優先予約入場チケットは4月26日入場分まで販売停止中。

サンピエトロ大聖堂・地下ツアー

4月21日より中止。葬儀後は再開となる見込み。

サンピエトロ広場

基本的には通常通りです。
ただし、葬儀前後には弔問のために大勢の信者の訪問が見込まれています。

ヴァチカン美術館

基本的には通常通り開館。
ただし、制限が設けられる可能性もあります。

4月26日(土)は葬儀に伴い、全館で終日休館。

ヴァチカン美術館内システィーナ礼拝堂

4月28日(月)より、コンクラーヴェ終了後まで見学不可と発表あり。
コンクラーヴェの準備が早くも始まるようですね。

コンクラーヴェは5月8日に終わりましたが、撤収作業のため数日は見学不可の見込みです。
最終的に、5月12日(月)から見学可能と発表がありました。

ヴァチカン美術館公式HP
https://www.museivaticani.va/content/museivaticani/en.html

サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂(ローマ)

フランシスコ教皇がサンタ・マリア・マッジョーレ教会に埋葬を希望している関係で、葬儀がある4月26日を中心に前後数日間は訪問不可となる可能性があります。

4月26日(土)は付属博物館の終日休館が発表されています。

葬儀後から多くの人が教皇フランシスコの墓所に訪れているため教会周辺の道路が歩行者専用になるなど、影響が出ています。入場待機列はテルミニ駅側(教会裏側)のPiazza dell’Esquilinoから始まります。影響は5/5頃まで続く見込みです。

サンタンジェロ城&ボルゴ・パッセット(ローマ)

サンタンジェロ城の最上階のテラス部分は4月23日~25日の間は見学中止です。
サンピエトロ大聖堂方面への見通しが良いですし、テロ対策かと思われます。

4月26日(土)27日(日)は終日全館で休館と発表がありました。

公式オンラインチケット販売サイト CoopCulture
https://www.coopculture.it/en/poi/castel-santangelo/

弔問に行ってきました

4月24日の夕方19時、仕事終わりにサンピエトロ大聖堂へ弔問へ行ってきました。

何万人もの人が弔問に訪れているとニュースで言っていたので長時間の待ち時間になると覚悟していたのですが、あっさり1時間で終わりました。棺の前で立ち止まることは許されず、基本的に1秒くらいしか拝謁できません。バチカン・ニュースのWebcamで見る限り、昨日23日は棺を写真に収めている方が多かったのですが、時間がかかるためか、今日の夕方に関しては棺の前での写真撮影は禁止になっていました。

夜の22時ごろになると、夕方以上にさらに大勢の人がまだまだ列を作っていましたね。きっと夕食後に来たのでしょう。フランシスコ教皇の人気がうかがえます。23日と24日の弔問受付は24時までだったのですが、列が途切れることなく続き、結局朝まで弔問者を受け入れていたようです。

葬儀の準備も進んでいるようで、様々なところにサンピエトロ広場の様子が見れるモニターが設置されていました。

新教皇選出

本日、コンクラーヴェ2日目の午後、イタリア時間5月8日(木)18時過ぎシスティーナ礼拝堂の屋根に設置された煙突から白い煙が出てきて新教皇が誕生したことが知らされました。

知らせから約1時間後、サンピエトロ大聖堂のバルコニーから「Habemus Papam(アベムス・パパム/我ら教皇を得たり)」の宣言があり、新教皇の名前が発表されました。

新しい教皇はロバート・フランシス・プレヴォスト枢機卿、教皇名はレオ14世(Papa Leone XIV)。初のアメリカ出身ですが、若い時からペルーに長年赴任しているそうです。2人連続で出身や赴任地が南米からの選出と話題になっています。

白煙の瞬間はバチカン・ニュースのLIVE映像を見ていました。最大で約50万人が見ていました。昨日でも約30万人。さすがの注目度です。
煙突そばにやってきたカモメ一家と給餌風景にほっこりしていたら白い煙が出てきてびっくりしました。煙突のクローズアップ映像には頻繁にカモメが映っているのですが、ここに巣があったんですね(昨日はずっとカモメ観察・笑)。親が呼ぶと右下から小さな雛がよちよち歩いてきてかなり癒されました。もしかしたら吉兆だったのかもしれませんね(笑)信徒ではありませんが、世代の移り変わりなど、なにか神の意志を感じさせるものがありました。

まとめ

今回は、ローマ教皇退位(帰天)に伴う影響と各種イベントについて解説しました。約10~20年に一度程度の出来事とはいえ、ローマ・ヴァチカン市国観光の見どころスポットも急遽閉館となったりと影響が大きいです。また、2025年のゴールデンウィークとも重なり、仕方がないこととはいえ、日本人旅行者には大きな影響が出る見込みです。2025年のゴールデンウィーク~5月中旬にかけてローマ・ヴァチカン市国を訪問予定の方はくれぐれも最新情報にご注意ください!

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • コメントありがとうございます!日々状況が変わっています。最新情報にはどうぞご注意ください。良いご旅行を!

  • 素早い情報ありがとうございます。
    5月1日からイタリアへ訪問します。
    5月3日にはバチカン美術館、システィーナ礼拝堂を見学予定です。
    コンクラーベがあっても美術館には入館出来るようなので足を運びますが、システィーナ礼拝堂の見学が叶わないのは残念です。
    しかし、歴史的瞬間を近くで感じられる貴重な機会とも受けとっています。
    なかなか詳しい情報を知る事が出来なかったので、本当に助かりました。

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