【シエナ(SIENA)】今でもフィレンツェのライバル?!金融業で栄えた世界遺産の街

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Ciao!今回は2014年から約半年、住んでいたシエナをご紹介します。現在でも時々帰るほど大好きな街です。当時は語学学校レオナルド・ダ・ヴィンチのシエナ校に通っていました。現在はなくなってしまったのかな…?

目次
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シエナとは?

シエナ(Siena)は、トスカーナ州の中央部に位置する都市でありシエナ県の県都。キャンティ地区を挟んでフィレンツェの南側に位置します。茶色いレンガ造りの建物が特徴的で、シエナという街の名前は「シェンナ色」の名前の由来にもなっています。

現在も営業中の銀行の中では最古のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行はここシエナで1472年に創業しました。この金融業のおかげで街は栄え、ルネッサンス期のフィレンツェの最大のライバルとして一帯の覇権を争っていました。

シエナの起源はとても古く、エトルリア人の居住地としての記録が残っていますが、ロムルスとレムスの神話に関連した伝説もあり、詳しくはわかっていません。シエナ周辺は古来より土地柄、水が乏しい地域であり(現在も野菜類の栽培には適していません)、エトルリア人が建設した水路が現役の場所も残ります。
現在は、シエナ大学とシエナ外国人大学を有する学生の街でもあります。

また、中世から残る砦壁に完全に囲まれた旧市街は、1995年に「シエーナ歴史地区」として世界文化遺産に指定されました。

老舗パスティッチェリア・カフェのナンニーニ(Nannini)は歌手のジャンナ・ナンニーニ氏、元F1レーサーのアレッサンドロ・ナンニーニ氏のご実家だそうです。

シエナの見どころ

カンポ広場(Piazza del Campo)

シエナのカンポ広場

シエナの歴史地区(チェントロ)の中央にある広場。世界一美しい広場の一つと言われています。少し傾斜のある扇型をしていますが、よく見ると9つに分かれています。これはかつて9人の執政官によって街が運営されていたことに由来していると言われています。
シエナを代表するお祭りであるパリオはこの広場の外周がコースとなります。

住民たちの憩いの場です。天気がいい日には、多くの人々がのんびり座って日光浴をしています。

Il Campo, 53100 Siena(SI)

ガイアの泉(Fonte Gaia)

シエナのガイアの泉

カンポ広場内にある泉。1346年にはすでに地下水道が開通しており、1419年ごろにJacopo della Querciaによって今のガイアの泉の形となりました。現在の彫刻類はレプリカですが、オリジナルはプッブリコ宮の博物館に保管されています。

プッブリコ宮(Palazzo Pubbulico)と市民博物館(Museo Civico)

シエナのカンポ広場

カンポ広場に建つゴシック様式の建物はシエナのシンボルの一つです。現在は市役所としての機能のほか、イタリアの中世芸術を代表するシエナ派の作品などが展示されている市民博物館としても公開されています。

Piazza del Campo, 1, 53100 Siena(SI)
6ユーロ
【3-10月】毎日:10:00-19:00
【11-2月】毎日:10:00-18:00
詳しくは、https://www.comune.siena.it/node/478

マンジャの塔(Torre del Mangia)

カンポ広場のプッブリコ宮に隣接する1349年に完成した88mの塔です。
頂上までは400段ほどの階段を上る必要があります。

この上からの眺めは抜群とのことですが、高所恐怖症のため、いまだ実現せず…
シエナの大学生の間では在学中の登ると卒業できないという言い伝えがあります。

Piazza del Campo, 1, 53100 Siena(SI)
10ユーロ
【3-10月】毎日:10:00-13:45, 14:30-19:00
【11-2月】毎日:10:00-13:00, 13:45-16:00
詳しくは、https://www.comune.siena.it/node/509

シエナ国立美術館(Pinacoteca Nazionale)

シエナ国立美術館

1932年に開館。13~18世紀のシエナ派の作品を中心に展示されています。見ごたえたっぷりです。

Via S. Pietro, 29, 53100 Siena(SI)
8ユーロ
火-土:9:00 –19:00
月・第1,3,5日曜・祝日:9:00-13:30
※第2,第4日曜日、1月1日、12月25日は休館
詳しくは、https://pinacotecanazionale.siena.it/

シエナ大聖堂(Duomo di Siena)とピッコロミーニ図書館(Libreria Piccolomini)

シエナでいちばんの高台にあります。ファサードはイタリアを代表する壮麗さを誇るゴシックスタイル。
内部では1200年代のトスカーナを代表するピサーノ親子(Nicola Pisano, Giovanni Pisano)の傑作を見ることができます。また、常に公開されているわけではありませんが、大理石の象眼細工の床も様々のストーリーを表現しており、必見です。聖堂の2階部分や博物館も見学する価値ありです!

元々は小さな聖堂でしたが、街が繫栄するにつれで拡張。黒と白の特徴的な縞模様の大理石部分は、後に拡張された部分です。内部の華やかさはイタリア随一だと思います。フィレンツェの大聖堂に対抗してさらに拡張計画が進んでいましたが、シエナの人口の大部分が失われたと言われるペストの大流行により断念。建設途中のファサードや壁が、聖堂外の正面右手側に残っています。聖堂は上空から見ると十字架の形をしていますが、拡張計画では正面の向きをローマ方面へ90度変更する予定でした。

正面にある3つの扉のうち中央は、8月16日のパリオと12月1日の守護聖人、聖アンサノ(Sant’Ansano)の日を含め、年に数回のみしか開くことはありません。

Piazza del Duomo, 8, 53100 Siena(SI)
7ユーロ~20ユーロ
※6月末~8月中旬の床公開時など多少の金額の変動があります
※チケットオフィスは、ファサードの前にあります。
【4-10月】平日:10:00-19:00、日・祝日:13:30-18:00、休日前:10:30-18:00
【11-3月】平日:10:30-17:30、日・祝日:13:30-17:30、休日前:10:30-17:30
詳しくは、https://operaduomo.siena.it/en/

聖ドメニコ聖堂(Basilica Cateriniana San Domenico)

聖ドメニコ聖堂から見たシエナ旧市街

聖堂横少し降りた場所からの眺めは個人的に一番のおすすめです。丘の勾配がわかるシェンナ色の街並み、大聖堂、マンジャの塔を一望することができます。

Piazza S. Domenico, 1, 53100 Siena(SI)
無料
毎日:7:30-18:30

聖カテリーナ(カタリナ)の家(Santuario Casa di Santa Caterina)

シエナの聖カテリーナがローマで急死した後、シエナの人々は遺体を彼女の生まれ故郷であるシエナに持ち帰ろうとしていましたが、全身は無理だったので頭部を鞄に入れて運びました。関所での検問の際、人々がもうダメかと思っていたら鞄の中身がバラの花びらに変化しており、難を逃れたという伝説が残ります。

Costa Sant’Antonio, 6, 53100 Siena(SI)
無料
毎日:9:00-17:00

メディチ要塞(Fortezza Medicea)

シエナを支配下に置いたフィレンツェのメディチ家が建てた要塞で、よく見るとメディチ家の紋章が掲げられています。
地元の人々は要塞の上でのんびり過ごしたり、ランニングしたり憩いの場となっています。

Piazza Caduti delle Forze Armate, 53100 Siena(SI)

シエナの歩き方

シエナの狼と双子の像

歴史地区は許可された住民以外の車の乗り入れが禁止となっています。したがって、旧市街地内のタクシーを利用しての移動は基本的に不可となっています。しかし、端から端まで歩いても直線にして30分ほどなので、十分に徒歩で散策可能です。

丘の上に建つシエナは急勾配が多く、不安が残る方は比較的平坦なグラムシ広場(Piazza Antonio Gramsci)~メイン通りVia Banchi di Sopra~カンポ広場周辺をおすすめします。
足腰に自信がある方は聖ドメニコ教会から始めて、坂を上り下りしながら、大聖堂・カンポ広場を回り、グラムシ広場に戻るルートが良いでしょう。

現在、歴史地区ではパリオのチームでもあるコントラーダと呼ばれる17の地区に分けられています。それぞれの地区では、いろいろな場所でコントラーダの紋章を見つけることができます。壁などに旗やタイルがあるのでわかりやすいです。狼、ドラゴン、カタツムリ、ヤマアラシ、波、塔など様々なシンボルです。また、5月頃から8月にかけては、毎週日曜日に各コントラーダの紹介を兼ねた行進が行われます。

シエナの街の起源は、ローマ建国のロムルスとレムスの神話に関連しているとも言われており、ローマと同じく雌オオカミと双子の像がいくつかあります。レムスの双子の息子(SenioとAscanio)がこの地に逃げ延びてシエナの街をつくったという言い伝えがあるのです。「Siena」という街の名前は「Senio」に由来すると言われています。

街を散策しながら様々なシンボルを探してみるのも楽しいですよ。

シエナのイベント

パリオ(Palio)

パリオのイメージ

シエナの伝統行事といえば、競馬レースのパリオ(Palio)です。このため、シエナの人々は馬をとても大切にします。馬を食べるなんてとんでもないことです。毎年7月2日と8月16日に行われる競馬レース「パリオ(Palio)」の開催日の街は、特に熱狂に包まれます。この期間に泊まりたいという方は早めに宿の予約をおすすめします。フィレンツェなど近郊の都市ではテレビ中継もありますよ。

パリオについて詳しくは、別記事にて詳しくご紹介します。

市場

シエナの定期市は、毎週水曜日のグラムシ広場前のLa Lizzaで行われます。食材から生活用品や衣服など大規模な市です。
また、プッブリコ宮裏にある、共和国時代に市場が立っていたメルカート広場(Piazza del Mercato)では、毎月第3日曜にアンティーク市が行われます。

シエナの名産品

パスタ ピチ(pici)

パスタ ピチ

かなり太目のもっちりとした食感が特徴のパスタです。日本のうどんのような感じで、イノシシやチンタ・セネーゼ豚のラグー、カーチョ・エ・ペペなど濃い目のソースが良く合います。

リチャレッリ(ricciarelli)

リチャレッリ

アーモンド粉、砂糖、卵白からできたやわらかい焼き菓子です。
リチャレッリは管理人も大好物でいつも購入してしまいます(笑)

パンフォルテ(panforte)

パンフォルテ

アーモンド粉、砂糖漬けシトラスピール、小麦粉、蜂蜜、スパイスなどを原材料とした日本の柚餅子を少し硬くしたような食感のお菓子です。
2013年にIGP(保護指定地域表示)指定を受けました。

チンタ・セネーゼ豚(Cinta senese)

チンタ・セネーゼ豚

シエナ周辺で飼育されている黒に白の帯模様が特徴の古代品種の豚です。一時期は、絶滅の危機に瀕していましたが、保護に成功し、現在シエナのレストランでは定番となっています。

シエナへの行き方

バスでお越しの方

フィレンツェのバスターミナルから、131(急行/Rapidaまたは普通/Ordinaria)で、約1時間20分~1時間45分。片道8,40ユーロ。

歴史地区内のグラムシ広場(Piazza Gramsci)が終点なので、電車よりもバスがオススメです。途中、聖ドメニコ教会でも降りることができます。
また、キャンティ地域を通るため、ブドウ畑を車窓から見ることができますよ。シエナ行きの運転方向右手には、ダンテの『神曲』にも描かれている王冠のようなかつての要塞、モンテリッジョーニの村を見ることもできます。

Autolinee Toscane
https://www.at-bus.it/en

電車でお越しの方

  • フィレンツェから:普通電車(R)シエナ行き直通。またはピサ方面行きでエンポリ(Empoli)駅で乗り換え。約1時間30分。2等車で片道9,80ユーロ。
  • ローマから:普通電車(R)フィレンツェS.M.N方面行きに乗り、Chiusi-Chianciano Terme(キウージ-キャンチャーノ・テルメ)駅で別線のシエナ行きに乗り換え。またはピサ方面行きでエンポリ(Empoli)駅で乗り換え。約3時間30分。2等車で片道18,10ユーロ。

駅は歴史地区の外にあり、カンポ広場まで徒歩2km程。駅前のショッピングセンター(シエナ外国人大学横)の2階から歴史地区のカモッリア門(Porta Camollia)前に上ることができるエスカレーターがあります。

Trenitalia
https://www.trenitalia.com

お車でお越しの方

  • フィレンツェから約1時間(76km)
  • ペルージャから約1時間20分(105km)
  • アッシジから約1時間40分(126km)
  • ローマから約2時間40分(231km)

まとめ

今回はシエナの街をご紹介しました。このほかにも、Santa Maria della Scalaなど多くの見どころがあります。基本的に学生の街ですし、安くて美味しいお店も多いですよ。Via CamolliaにあるOsteria il Vinaioや聖ドメニコ教会近くのジェラテリアGelateria Il Masgalano、Via Fontebrandaにある友人の量り売りワインのお店La Cantinettaには必ず立ち寄っています。
また、シエナを経由して、シエナ南部に広がる中部イタリアらしい風景を楽しむことができるオルチャ渓谷へのルートも非常におすすめです。

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