Ciao!2022年クリスマス前にオルヴィエートへ行ってきました。
オルヴィエートとは?
オルヴィエート(Orvieto)はウンブリア州の南側テルニ県、ラツィオ州やトスカーナ州の州境に位置します。イタリアを代表するゴシック様式の美しい大聖堂が有名ですね。スローライフシティに加盟しています。また、名産品である白ワインはD.O.Cの指定を受けています。
オルヴィエートの街の歴史は古く、エトルリア時代がベースになっています。他の都市と同様に、都市防衛のために高台の上に都市を築き上げました。約180万年は海だったことが研究で分かっており、オルヴィエートの地盤の一番下は粘土層。40万年前には川となり、粘土層の上に河川や湖沼の堆積物が沈殿し、ヴォルシーニ火山脈の最後の噴火により堆積した火山灰が10万年ほど前に凝灰岩となりました。その後、雨などの浸食により現在のような断崖の形になったと考えられています。構造としては、近郊の死にゆく街と呼ばれるチヴィタ・ディ・バニョレージョと同じですね。エトルリア人の土地は、非常に水はけがよく、表面に使用できる水が少ない地域が多く、そのため掘削技術など井戸を掘ることや水道設備に関してはかなりの技術を持っていました。現在でもこの痕跡はオルヴィエートのPozzoをはじめ、トスカーナ州の各地でも見ることができます。
オルヴィエートの地下には1200もの空洞や地下道があります。地盤の特徴として人の手でも掘削しやすく、また、エトルリア時代にはすでに人口過多、しかし表面で利用できる土地は限られているため、特に仕事場として地下を発展させました。いったんはローマ人の侵略により、地下の都市機能は終わりを迎えますが、その後中世に再び発展します。地下を採掘しすぎると都市全体が崩落する危険があるので、慎重に計算しながら、記録では1800年代まで地下施設の拡大が進んでいたそうです。採掘された凝灰岩などは地上でセメントの材料に利用されていたそうですよ。
地下の気温は常に14~15℃と安定しています。現在は、表面の土地の所有者がそのまま地下の所有者として認められており、主に個人の地下ワイナリーや食料貯蔵庫として使用されているそうです。
ローマ-フィレンツェ主要な鉄道線路間にあるため、各地からの小旅行に便利です。逆にウンブリア州の主要都市からはTerontola駅やOrte駅で乗り換える必要があります。
オルヴィエートのみどころ
オルヴィエート大聖堂(Duomo di Orvieto)
正式名称は“La basilica cattedrale di Santa Maria Assunta” ミラノやシエナの聖堂と並び、イタリアを代表するゴシック様式の荘厳なファサードが特徴です。
入場料には、ドゥオモ(Duomo, Cappella nova)、ドゥオモ宝物館(Museo e Tesoro del Duomo)、エミリオ・グレコ博物館(Museo Emilio Greco)への入場が含まれます。
聖パトリッツィオの井戸(Pozzo di San Patrizio)
ケーブルカーの山頂駅隣にある、クレメンス7世の希望により、1527年につくられた井戸です。深さ54m、2重螺旋構造となっている248段の階段を降り、井戸の底へ行くことができます。井戸には72個の窓が開いており、幻想的な雰囲気です。エレベーターはありません。帰りは249段の階段を上ることになります。見学する場合は、街歩きの後半ではなく、体力があるうちに行くことをおすすめします(笑)
カヴァの井戸(Pozzo della Cava)
街の中心部にある深さ36 メートルの井戸です。古くはエトルリア時代(紀元前6~5世紀)に遡ります。1527 年、ローマから避難してきた教皇クレメンス 7 世により、エトルリア時代の構造を拡張して泉水を汲み出すことができるようにしました。その後、この井戸は利用されなくなりますが、1820年けんかの後に5人のフランス人将校が投げ込まれた事件をきっかけに再注目されることとなりました。
毎年12月23日~1月6日頃まで井戸の中のプレゼーペ展が開催されます。
アンダーグラウンド ガイドツアー(Orvieto Underground)
中世のオリーブオイル精製所、そしてエトルリア時代の鳩の飼育小屋。最後は近代に防空壕として使用されていた空間を見学します。1時間のガイドツアーです。冒険のような貴重な体験ができ、個人的にとてもおすすめですが、暗所恐怖症・閉所恐怖症の方や小さなお子さまはやめておいた方が良いでしょう。また、歩きやすい靴を履いていきましょう。
クラウディオ・ファイーナ博物館(Il Museo Claudio Faina di Orvieto)
ドゥオモの前にあるエトルリア、ギリシャ、ローマなどを含む考古学博物館。
オルヴィエート国立考古学博物館(Museo Archeologico Nazionale di Orvieto)
ドゥオモの裏にある考古学博物館。オルヴィエート周辺のネクロポリスなどの発掘調査で発見されたエトルリアの出土品を展示しています。
観光案内所
無料の観光マップあり
オルヴィエートカード
オルヴィエートを回るのに便利なカードです。総合カード1種類とテーマ別に4種類のカードがあります。公共交通機関は無料になりませんが、割引の対象です。
- 対象施設が無料
- TrenitaliaやBusitalia、その他施設の割引
- 発行日から1年間有効
- 使わなかった分は他者への譲渡も可能
- オンラインのほか、観光案内所などで購入可能
Orvieto Carta Unica
オルヴィエートすべての博物館やモニュメントが対象です。
年間25ユーロ。12.8ユーロお得になります。
- DuomoとMuseo dell’Opera del Duomo: 5ユーロ
- Museo Archeologico Nazionale: 4ユーロ(月曜休館)
- Museo Etrusco C. Faina: 6ユーロ(火曜休館)
- Necropoli del Crocifisso del Tufo: 3ユーロ(月・火曜休館)
- Orvieto Underground: 7ユーロ
- Pozzo della Cava: 4ユーロ(月曜休館)
- Pozzo di San Patrizio: 5ユーロ
- Torre del Moro: 3.8ユーロ
【Carta Tematica】Piazza Duomo
ドゥオモ周辺の施設が対象のカードです。
年間15ユーロ。3.8ユーロお得になります。
- Duomo e MODO: 5ユーロ
- Museo Etrusco Faina: 6ユーロ
- Museo Archeologico: 4ユーロ
- Torre del Moro: 3.8ユーロ
【Carta Tematica】Medioevo
中世をテーマにした施設が対象のカードです。
年間15ユーロ。2.8ユーロお得になります。
- Torre del Moro: 3.8ユーロ
- Duomo e MODO: 5ユーロ
- Pozzo di San Patrizio: 5ユーロ
- Pozzo della Cava: 4ユーロ
【Carta Tematica】Sotterranei
アンダーグラウンドをテーマにした施設が対象のカードです。
年間15ユーロ。4ユーロお得になります。
- Orvieto Underground: 7ユーロ
- Pozzo della Cava: 4ユーロ
- Pozzo di San Patrizio: 5ユーロ
- Necropoli: 3ユーロ
【Carta Tematica】Etruschi
エトルリアをテーマにした施設が対象のカードです。
年間15ユーロ。3ユーロお得になります。
- Necropoli: 3ユーロ
- Museo Etrusco Faina: 4ユーロ
- Orvieto Underground: 7ユーロ
- Museo Archeologico: 4ユーロ
オルヴィエートのイベント
年末年始に行われる冬のウンブリアジャズ(Umbria Jazz)
ケーブルカー(Funicolare)
徒歩やバスでもオルヴィエートの街へ上ることができますが、鉄道駅の目の前にはケーブルカーがあります。
約3分で上の駅に到着し、観光や生活に便利なお供です。
切符はバスと共通で90分間有効、駅構内にあるバールで購入することができます。
オルヴィエートへの行き方
公共交通機関でお越しの場合
- アッシジから:急行や普通電車(RV・REG)でフィレンツェS.N.M方面行きに乗り、Terontola-Cortona(テロントラ-コルトーナ)駅で別線のローマ行きに乗り換え。または、ローマ方面行きに乗り、Orte(オルテ)駅で別線のフィレンツェS.M.N行きに乗り換え。どちらの場合も、約2時間。2等車で片道10ユーロ。
- ペルージャから:急行や普通電車(RV・REG)でフィレンツェS.N.M方面行きに乗り、Terontola-Cortona(テロントラ-コルトーナ)駅で別線のローマ行きに乗り換え。約1時間30分。2等車で片道8.90ユーロ。
- ローマから:急行(RV)直通で1時間20分。2等車で片道8.60ユーロ
- フィレンツェから:急行(RV)直通で2時間15分。2等車で片道17.40ユーロ
お車でお越しの場合
- ペルージャから約1時間15分(77km)
- アッシジから約1時間25分(91km)
- ローマから約1時間30分(121km)
- フィレンツェから約2時間(165km)
まとめ
天空の街オルヴィエートをご紹介しました。オルヴィエートは、数々のアートや手工芸品のお店が並び、街歩きにもぴったりです。筆者も手作りの皮のバッグを衝動買いしてしまいました(笑)冬には雲海も見ることができ、絶景が広がりますよ。また、オルヴィエートからチヴィタ・ディ・バニョレージョの最寄りであるバニョレージョへのバスが運行しています。オルヴィエートで一泊して、チヴィタと合わせて散策もオススメです。
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