Ciao!今回はウンブリア州の州都、ペルージャからお届けします!
管理人も1年間住んでいた街です。現在は大学のキャンパスがあるアッシジ在住ですが、本キャンパスで講義があるときはペルージャに通学しています。
ペルージャとは?
ペルージャ(Perugia)はウンブリア州の州都であり、またペルージャ県の県都でもあります。ウンブリア州のほぼ中央部に位置し、大学の街として知られています。1308年創立のペルージャ大学の各学部のキャンパスが点在しており、外国人へのイタリア文化教育にも熱心なペルージャ外国人大学があります。そのため、留学生も多く、国際色豊かなとても活気にあふれた街です。ペルージャ外国人大学には語学の短期コースもあり、日本からも多くの留学生が来ています。
また、ペルージャは、1998年にACペルージャに在籍したサッカーの中田英寿選手のおかげで、日本人には名を知られている街でもあります。また、2024年にはバレーボールの石川祐希選手もペルージャのチームに移籍を発表し、さらに注目を集めています。
歴史地区(旧市街)は丘の上に位置しており、坂道が多いので歩きやすい靴で回りましょう。
かつてはエトルリア文化の地であり、現在も街中の至る所にその足跡がうかがえます。外国人大学の前にあるエトルリア門(Arco Etrusco)や大聖堂近くの少し奥まったところにあるエトルリアの井戸(Pozzo Etrusco)などが代表です。
また、ウンブリアジャズ、ユーロチョコレートなどの国際イベントが開催されることでも有名です。2022年に誕生100周年を迎えたBaciチョコで有名なペルジーナ社の拠点があり、街にはチョコレートを扱った店舗が多いので、チョコレート好きな方にはぜひ訪れていただきたい街です。
そこまで大きくない街ですので、半日あれば十分回ることが可能です。しかし、せっかくですからペルージャを拠点としてグッビオやアッシジなど他の街へ小旅行するのがオススメです。むしろ、ペルージャからバスでしか行くことができない街がたくさんあります。
ペルージャの鉄道駅から歴史地区は少し離れていて、丘の上にあります。ミニメトロで行けば5分程度で到着しますが、徒歩では結構な急勾配の上り&約30分以上かかるのでおすすめしません。主要な駐車場の近くなどには、公共のエスカレーターもありますよ。
鉄道駅から歴史地区への主な行き方は、
①バスでバスターミナル(Piazza Partigiani)まで行き、エスカレーターで要塞の中を抜ける
②バス(Linea G, R, TSなど)で歴史地区内のPiazza Italiaまで行く
③ミニメトロで直接歴史地区へ
の3つです。
ペルージャの主なみどころ
ウンブリア国立絵画館(Galleria Nazionale dell’Umbria)
13~19世紀にかけての作品群を展示するイタリアを代表する絵画館の一つです。2022年7月、長期の改修作業を終え、新規オープンしました。ペルージャを中心にウンブリア州に関する作品を多く展示しています。街との調和をテーマに明るく開放的な絵画館です。作品の種類ごとではなく、各時代ごとに展示室を分けるなど展示方法も工夫されています。
主な作品は、マエストロ・ディ・サン・フランチェスコ『十字架像』(1272)など。
パオリーナ要塞(Rocca Paolina)
教皇パウルス3世の命によって1543年に完成した要塞です。興味深いことに、ペルージャの街を囲む塀の中に建設されました。街に侵攻する外敵を監視するためのものではなく、内部の政敵の動きを監視するため、及び権力を示すための砦です。そのため、家屋や塔、通りの一部が砦内に組み込まれているのも特徴的ですね。上部は眺めのいい公園となっており、人々の生活に欠かせない場所となっています。
ペルージャのバスターミナルそばに位置し、要塞内を歩きながらエスカレーターで歴史地区へ行くことができます。他の街ではあまり見られない体験ですよ。
中世の水道橋/アクエドット(Acquedotto medievale)
1280 年に完成した約4kmに渡る水道橋の名残です。Pacciano山から11月4日広場にあるマッジョーレ噴水まで水を運ぶために建設されました。現在では、人気の写真”映え”スポットの一つです。
11月4日広場とフォンターナ・マッジョーレ(Piazza IV Novembre, Fontana Maggiore)
11月4日広場は、ペルージャのメイン広場です。かつてはフォロ・ロマーノとして機能していました。
フォンターナ・マッジョーレは、ピサやシエナでも活躍したニコラ・ピサーノ(Nicola Pisano)とジョヴァンニ・ピサーノ(Giovanni Pisano)親子によって1278年にデザインされた噴水です。街のシンボルとして、ペルージャの一番高い場所に水を供給する計画でした。しかし、実際に噴水として機能していたのは、20年間ほどだったそうです。
2022-23年のRaiの年越し中継はこの広場から放送されました。
サン・ロレンツォ大聖堂(Cattedrale di San Lorenzo)
エトルリア・ローマ時代のフォロ・ロマーノにあった古代の教会の上に再建されたペルージャのドゥオモです。ゴシック式の大聖堂で1487年に完成しました。設計者は、水道橋やフォンターナ・マッジョーレを設計し、グッビオやオルヴィエートでも活躍したフラ・べヴィニャーテ(Fra Bevignate)です。部分的に覆われているピンク色の石のタイルはアッシジの特産品を使用しています。
サン・ミケーレ・アルカンジェロ教会(Chiesa di San Michele Arcangelo)
円形型が特徴的な”il tempietto”とも呼ばれる古い教会です。元々この場所には、ローマ時代に神々にささげられたものなど、古くから別の寺院があったと考えられていますが、その上に現在の教会が5~7世紀に建てられたと伝えられています。ペルージャにとって最初の宗教的建造物であり、イタリアの中でも古い初期キリスト教会の 1 つです。1487年に大規模な修復が行われ、現在まで大切にされています。教会の特徴であるバラ窓はなく、上層部の12個の窓から光を取り込みます。
旧市街からは少し離れていますが、徒歩で行くことができますよ。エトルリア門を抜けて、ペルージャ外国人大学前を通り、まっすぐ直進すると教会が見えてきます。
ウンブリア州国立考古学博物館(Museo Archeologico Nazionale dell’Umbria)
1233年に建設された旧サン・ドメニコ修道院を使用して開館した博物館です。ペルージャ周辺にはウンブリア・エトルリア時代を代表とする遺跡が数多く残っています。この考古学博物館は、中部イタリアでも最大級の展示数となっています。
ペルジーナ・チョコレート博物館(Casa del Cioccolato Perugina)
BaciでおなじみのPerugina社が運営するチョコレート博物館です。1時間半のガイドツアーの他、試食やお買い物ができます。ガイド付き工場見学を含むため、完全予約制です。公式サイトやメール、電話で予約してから行きましょう。
博物館は歴史地区からは少し離れたSan Sisto地区にありますが、バスのA線やB線で簡単に行くことができます。郊外行きのバスではなく市内を循環するバスのチケット(Corsa Singola UP)で大丈夫です。
ペルージャの主なイベント
ウンブリア・ジャズ・フェスティバル(Umbria Jazz)
毎年7月に行われる国際ジャズ・フェスティバル。アリーナで行われる有料コンサートのほか、ペルージャの中心街では無料のコンサートも開催されます。
ユーロチョコレート(Eurochocolate)
チョコレート好きにはたまらない、ヨーロッパ最大級のチョコレートの祭典です。毎年10月頃にペルージャで行われます。2021~23年度はペルージャ郊外のBastia UmbraにあるUmbriafiereの屋内展示場で行われましたが、30周年を迎える2024年度は、11月15日~24日の日程でペルージャ旧市街に開催地・入場料無料に戻して開催予定です。
青空市(メルカート)
冬季以外の毎週土曜日と11月第1週目には、スタジアムがあるミニメトロPian di Massiano駅そばの駐車場で大規模なメルカートが開催されています。ウンブリア州最大規模ですので見ごたえたっぷりですよ。
ペルージャの観光案内所
ミニメトロPincetto駅(歴史地区)で降りてエスカレーターを上ったところにある図書館に隣接しています。
観光案内所ではおすすめの観光ルートを示した無料マップあり。
ミニメトロ(Minimetrò)
「M」のマークが目印
ミニメトロは、ペルージャの郊外にあるスタジアムと丘の上にある歴史地区を結ぶ自動運転の小さなモノレールです。メトロという名前ですが、正確には地下鉄ではありません。
急こう配を登っていきます。途中トンネルに入ったりと面白いですよ。時間も正確、かつ本数も多いので観光・生活にかかせない存在です。なお、毎年、夏季(7月末~8月中旬あたり)の数週間はメンテナンスのために運行停止になります。
Pian di Massiano(スタジアム)~Fontivegge(鉄道駅)~Pincetto(歴史地区)の3.2kmを約2分半間隔で運行しています。鉄道駅から歴史地区までの所要時間は、約8分。
運行時間は、
月~土曜:7:00 – 21:05
日・祝日:9:00 – 20:45
切符は、バスと共通チケット。
改札に切符を通して駅に入ります。ミニメトロでは、入口だけでなく、出口でも切符を改札に通す必要があります。切符をなくさないようにご注意ください。
- 1回券(Corsa Singola UP):70分有効。ただし、改札を出てから 20 分後に再利用になります。1.50ユーロ。
- 回数券(10 Multiviaggi UP):1回あたり70分有効。有効期限は最初の打刻から1年間で、10回分使用できます。12.90ユーロ。
- ツーリストチケット(Turistico 1 giorno UP):最初の打刻から24時間有効。5.40ユーロ
ミニメトロFontivegge駅は、鉄道のペルージャ駅を出て左手にあるバスステーションの先にあります。駅構内の1番線から直接行くことも可能です。夜間はバスステーションの治安が少し悪いので、鉄道駅構内から行くことをおすすめします。
ペルージャへの行き方
電車でお越しの場合
ペルージャには、2つの駅があります。幹線駅となるPerugia駅と郊外行きのSt.Anna駅です。
Perugia駅は歴史地区からは少し離れており、St.Anna駅は歴史地区のすぐそばに位置しています。
Perugia駅への行き方
- アッシジから:普通電車(R)や快速電車(RV)で20分。2等車で片道3,40ユーロ。
- スポレートから:普通電車(R)や快速電車(RV)で約1時間。2等車で片道6,80ユーロ。途中Folignoで乗り換えの場合あり。
- ローマテルミニ駅から:急行(RV)直通で2時間45分。2等車で片道14.10ユーロ。Folignoで乗り換えの場合あり。
- ローマテルミニ駅の1/2est番線から電車が出発する場合は、1番線内のプラットホームを通りつつ、改札から10分ほど歩きますので、当日は早めに駅に到着することをおすすめします。
- フィレンツェS.M.N駅から:急行(RV)直通で約2時間15分。2等車で片道14.65ユーロ。途中Terontola-Cortonaで乗り換えの場合あり。
バスでお越しの場合
ペルージャのバスターミナルは歴史地区に近く、パオリーナ要塞(Rocca Paolina)を下りたところにあります。
ペルージャ近郊・郊外行バスの他、SulgaバスやFlixバスなどのイタリア各地とペルージャを結ぶ長距離バスの停留所でもあります。
UMBRIA AIR LINK (PERUGIA AIR LINK)
ウンブリア国際空港~ペルージャ駅~ペルージャのバスターミナルを結ぶ赤色のバスです。
片道5ユーロ。
お車でお越しの場合
- アッシジから33分(約25km)
- スポレートから1時間(約64km)
- ローマから2時間15分(約172km)
- フィレンツェから1時間50分(約151km)
まとめ
今回は、ウンブリア州の中心都市であるペルージャについて解説しました。常に大学生や留学生、観光客に溢れた活気ある街です。世界的なイベントが開催される時期はさらに盛り上がります。ウンブリア州観光の拠点となりますので、ここに宿を取ってバスや電車で各地に小旅行もオススメです。
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