Ciao! 冬晴れの日、スポレート(Spoleto)へ行ってきました。この日はちょうどテレビドラマ『マッテオ神父の事件簿(Don Matteo)』の撮影が行われていたのか、ドゥオモの近くにあるカフェを中心に一時封鎖されていました。
スポレート(Spoleto)とは?
スポレートはウンブリア州ペルージャ県の南に位置する市で、かつてはスポレンティウム(Spolentium)の名で呼ばれていましたが、570年に北部のBreciaなどを中心に栄えていたロンゴバルド人 (ランゴバルド人/Longobardi)によってスポレート公国(Ducato di Spoleto) として建国されました。
RAI1で2000年から放映されているテレビドラマシリーズ『マッテオ神父の事件簿』第9シーズン以降の舞台です。運が良ければ、撮影現場に遭遇することができるかも?!
各地から日帰りでも十分可能ですが、1泊してのんびり散策もおすすめです。ショートトリップにおすすめなサラミで有名なノルチャへのバスも出ていますよ。
スポレートの見どころ
ローマ劇場(Teatro Romano)と国立考古学博物館(Museo Archeologico Statale)
紀元前1世紀後半ごろに建設され、紀元後4世紀ごろまで使用されていた野外劇場。1300年台には、刑務所や修道院としても使用されていました。入口は自由の広場(Piazza della Liberta)から少し路地に入ったところにあります。
アルボルノツィアーナ城(Rocca Albornoziana)と塔の橋(Ponte delle torre)
アルボルノツィアーナ城は、1359年に建設されたスポレートで一番高い位置にある砦です。内部はスポレート公国博物館となっています。
砦の裏手に位置する塔の橋は、ローマ時代の建造物の遺跡に建てられた13世紀の水道橋です。現在は残念ながら、橋の上を歩いて渡ることはできません。
サンタ・マリア・アッスンタ聖堂(Cattedrale di Santa Maria Assunta)とドゥオモ広場(Piazza del Duomo)
スポレートのドゥオモで内部にはフィリッポ・リッピ(Fra Filippo Lippi)が描いたフレスコやアッシジの聖フランチェスコ直筆の手紙を見ることができます。
ローマ時代の家(Casa Romana)と市庁舎(Palazzo Comunale)
紀元後1世紀ごろの家で14世紀の終わりにスポレートの考古学者Giuseppe Sordini氏によって発掘されました。現在の市庁舎の地下にあるような形保存されています。(市庁舎と入口は別です)
内部にはモザイクで装飾された床など共和国時代の終わりからローマ帝国時代の初めまで流行していた貴族の家の典型的なパターンを今でも見ることができます。
サン・グレゴリオ・マッジョーレ教会(Basilica di San Gregorio Maggiore)
旧市街地入り口近くにある教会でロンバルド・ロマネスク様式。11世紀終わり~12世紀にかけて建設されました。
サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会(Chiesa dei Santi Giovanni e Paolo)
かつてのビザンチン地区にあった小さな教会。13〜15世紀の聖人を描いた大きなフレスコ画は見事です。
サン・サルヴァトーレ教会(Basilica di San Salvatore)と墓地
歴史地区外にありますが、訪れる価値はあります!世界遺産「イタリアのロンゴバルド族:権勢の足跡 (568-774年)」の一つとして登録されています。
初期キリスト教建築でファサードの上部にある窓枠はオリジナル。現在は聖堂内部のダメージが大きく、中へ入ることはできませんが、内部の装飾やフレスコはガラス扉越しに見ることが可能です。
サン・ピエトロ教会(Chiesa di San Pietro Extra Moenia)
スポレートの南の入り口に位置し、旧市街地からはほんの少しだけ離れていますが、徒歩で行くことができる範囲です。ほぼ完全に残っている12~13世紀に造られたファサードは必見。寓話などの彫刻で装飾されており、イタリアの中でも有数のロマネスク様式の教会です。近くに横断歩道がないので、目の前にある幹線道路を渡る際には結構勇気が必要かも…
パラッツォ・マウリ(Palazzo Mauri)と6世紀のモザイク
かつてはマウリ家の邸宅で現在は市立図書館として利用されています。内部にあるカフェでは6世紀のモザイクを鑑賞することができます。
クリトゥンノの小神殿(Tempietto sul Clitunno)
スポレートからは15km程離れたところに位置する小神殿。2011年に世界遺産「イタリアのロンゴバルド族:権勢の足跡 (568-774年)」の一つとして登録されました。
観光案内所
イタリア語・英語の市街地のマップあり(無料)
スポレートの歩き方
旧市街から丘の上にあるアルボルノツィアーナ城(Rocca Albornoziana)まではかなり高低差がありますが、ウンブリア州で初めての自治体によるバリアフリー化により、駐車場の近くには公共のエレベーターやエスカレーターが設置されています。お店を見ながらのんびり上るのもいいですが、旧市街地の門をくぐる前に川沿いに左方向へ進み、エスカレーターで上まで上がってしまうのもオススメです。エスカレーターは途中、ドゥオモ付近でも降りることができます。
スポレートカード(Spoleto card)
アルボルノツィアーナ城ともう1か所以上の施設を訪れる予定なら購入しておいて損はありません。
提携している各施設などで購入できます。
以下の6つの博物館に入場することができます。
・アルボルノツィアーナ城と国立スポレート公国博物館
・ローマ劇場と国立考古学博物館
・ローマ時代の家
・コッリコラ宮(現代美術館と貴族の邸宅)
・サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会
・クリトゥンノの小神殿
購入日から7日間有効で
レッドカード(26~64歳) 9.5ユーロ
グリーンカード(15~25歳、65歳~) 8ユーロ
すべて回ると20ユーロもお得になります!
スポレートのイベント
Festival dei Due Mondi
毎年6~7月にかけて行われる、音楽や舞台なども含めた国際的な芸術の祭典です。
スポレートへの行き方
電車でお越しの場合
(Trenitaliaフィレンツェ-ローマ線)
- アッシジから:急行(RV)の直通で37分。途中、フォリーニョ(Fogligno)乗り換えの場合、42分。2等車で片道5,30ユーロ。
- ペルージャから:急行や普通電車(RV・REG)の直通で1時間10分ほど。途中、フォリーニョ(Fogligno)乗り換えの場合あり。2等車で片道6.80ユーロ。
- ローマテルミニ駅から:急行(RV)直通で1時間35分。(Ancona、Fogligno行きなど)2等車で片道10,05ユーロ。
鉄道駅から旧市街地である歴史地区までは徒歩で15分ほどです。バスも出ていますが、旧市街と違い、平坦な道なので徒歩でも大丈夫です。途中でサン・サルヴァトーレ教会によることを忘れずに。
お車でお越しの場合
- アッシジから30分
- ペルージャから46分
- ローマから1時間45分
旧市街地付近には、3つの公共駐車場があります。1日最大で10ユーロ。
まとめ
ウンブリア州の中でもアッシジやペルージャとも違った、イタリア北部を中心に栄えたロンゴバルド人の文化やスポレート公国の中心としての歴史を体験することができます。歩き方はエスカレーターでいったん上まで上がり、降りてくるのがよさそうです。ローマの古代闘技場などは現在修復中で、訪れることはできませんでしたが、各地からの小旅行も可能なまた行きたい都市となりました。
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