Ciao!今回は語学学校のインターン中にも現地ツアー添乗員の通訳アシスタントとしてお客様を頻繁にご案内していたチンクエテッレをご紹介します。2時間ほどのお客様の自由時間中にツアー添乗員とともによく海水浴をしたのはいい思い出です(笑)
チンクエテッレとは?
Cinque=5、terre=土地。リグーリア州のラ・スペッツィア(La Spezia)県にあるリグーリア海岸に面した名前の通り5つの小さな集落の総称で、周囲はチンクエテッレ国立公園と海洋保護領域に指定されています。山の上には他の集落もあります。
ラ・スペッツィア側からジェノヴァへ向かって、
1.リオマッジョーレ (Riomaggiore)
2.マナローラ (Manarola)
3.コルニーリア (Corniglia)
4.ヴェルナッツァ (Vernazza)
5.モンテロッソ・アル・マーレ (Monterosso al Mare)
1997年に『ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群』として世界文化遺産に登録されました。人口約3000人に対して、訪れる観光客は年間3万人。
ご存じの通り、海に面した急斜面で平地もなく農作物には適さない不毛な土地です。船でしか到達できない未開の地を人の手のみで開墾してきた歴史があります。もともと海賊の根城であったといわれています。また、ジェノヴァ王国時代にはイギリスなどへの奴隷貿易の拠点として使われていたとも伝えられています。
1966年と2011年 10月25日(一時間に400㎜以上の雨量を記録)の大雨による洪水により壊滅的な被害となりました。ヴェルナッツァの駅前やモンテロッソ・アル・マーレのSan Giovanni Battista教会には当時の様子が紹介されています。船から見るとあちこちで地滑りが起きていることがよくわかります。
カラフルな家々は霧の中でも買える場所がわかる港町の特徴です。現在は景勝地として名をはせていますが、学校も少ないので多くの人は生活の拠点を近隣の大都市に移しています。漁だけでは生活が苦しく、夏の観光とオフシーズンの街での仕事で収入を支えるという課題を抱えています。
味わっておきたい名産品は?
野菜などの栽培には適さない土地ですが、柑橘類、ワイン用のブドウを急な崖の段々畑で栽培しています。収穫方法は日本のみかん畑同様にトロッコが活躍しています。
白ワイン チンクエテッレ
海からの豊富なミネラルが美味しいワイン用のブドウを育てます。急な斜面のためにトロッコで収穫に向かいます。
シャケトラ(Sciacchetrà)
チンクエテッレのDOC甘口デザートワインです。干しブドウから作られる凝縮した味わいが特徴。ちなみにお値段は1本40ユーロ前後です(笑)
リモンチーノ(Limoncino)
チンクエテッレ産のレモンを使ったリキュールです。リモンチェッロと非常によく似ていますが、アマルフィのリモンチェッロと違い、グラッパなどで作られることもあるそうです。
イワシを代表とした海鮮類
海洋保護領域のため基本的に漁業は制限されていますが、モンテロッソ・アル・マーレなどではフリットなどストリートフードとしても楽しむことができます。
PESTOソース(ジェノベーゼ)
ジェノヴァの名物。トロフィエ(Trofie)パスタで提供される場合が多いです。ジャガイモとインゲン豆が伝統的な具材です。
チンクエテッレ内の移動の仕方は?
電車は基本的に各駅停車です。住民以外の車の侵入は禁止されていますので、電車または船でアクセスすることになります。
通常ツアーでは、駅から長い階段を上らないといけないこともあり、コルニーリアにはあまり立ち寄りません。大型バスはマナローラにしか入れないので、よくあった行程は
【プランA】
マナローラ
↓
(船)
↓
リオマッジョーレ
↓
ヴェルナッツァ
↓
モンテロッソ・アル・マーレ
↓
ラ・スペッツィアからフィレンツェ
または
【プランB】
マナローラ
↓
(船)
↓
ヴェルナッツァ
↓
モンテロッソ・アル・マーレ
↓
リオマッジョーレ
↓
ラ・スペッツィアからフィレンツェ
コルニーリアにも寄りたい場合は、端から順番に行くのが良いでしょう。フィレンツェ側からの日帰りの場合、リオマッジョーレから船でモンテロッソ・アル・マーレへ行き、順番にラ・スペッツィアへ戻るコース。
または欲張りコース。リオマッジョーレからモンテロッソ・アル・マーレまで電車で1つずつ回り、最後は船でポルトヴェーネレへ。忙しくなりますが、可能です。
昼食は比較的集落も大きくレストランが多いヴェルナッツァかモンテロッソ・アル・マーレをおすすめします。
実際の現地ツアースケジュール例(自由時間のみ)
【プランBの場合】
10:00 観光バスでマナローラ着
11:20 船or電車でヴェルナッツァへ移動
12:30 船でモンテロッソ・アル・マーレ(海水浴、ランチタイム含む)へ移動
15:30 電車でリオマッジョーレへ移動
16:50 電車でラ・スペッツィア→バスでフィレンツェ
観光バスは基本マナローラからチンクエテッレ入りするので、午前10~11時前後に行くと大混雑です。ゆっくり過ごしたいのならば、マナローラはパスしても良いでしょう。また、クルーズ船の観光ツアー客と一緒になってしまうと、マナローラからの乗船は乗りきれない場合もあります。その場合は電車での移動や早めに船付き場へ行くことをおすすめします。コルニーリアも階段の往復時間を考えると、1日しか滞在できない場合はパスするのがおすすめです。
電車は基本トンネル移動なので、1か所ぐらいは船で移動してみてください。コルニーリアに立ち寄らない場合、マナローラ~ヴェルナッツァ間の船移動がおすすめです。船での各村間の所要時間は20分前後です。
モンテロッソ・アル・マーレはリゾート地。海水浴がしたい場合には最適のスポットです。
チンクエテッレ カード
チンクエテッレ内で便利な電車・バスの乗車券と各種割引がセットになったカードです。
オンラインのほか、現地の駅構内などで購入可能です。
Cinque Terre Treno MS Card
・Levanto – La Spezia間の普通列車の2等車が乗り放題(インターシティやフレッチャなどの特急列車を除く)
・チンクエテッレ内のバス乗り放題
・国立公園内への入場
・ガイドツアーへの参加
・通常1ユーロの公共有料トイレを無料で使用できる
・Hot Spot内のWi-Fiが利用可能
など
1日券 7.5ユーロ(大人1人)、19.60ユーロ(大人2人、子ども2人)
2日券 14.50ユーロ(大人1人)、31.50ユーロ(大人2人、子ども2人)
トレッキングカード(Cinque Terre Trekking Card)
・チンクエテッレ内のバス乗り放題
・国立公園内への入場
・ガイドツアーへの参加
・通常1ユーロの公共有料トイレを無料で使用できる
・Hot Spot内のWi-Fiが利用可能
など
1日券 7.5ユーロ(大人1人)、19.60ユーロ(大人2人、子ども2人)
2日券 14.50ユーロ(大人1人)、31.50ユーロ(大人2人、子ども2人)
チンクエテッレでの注意事項
注意事項は電車内でスリが多発すること。チンクエテッレ内の移動は、電車か船での移動となります。(一部トレッキングでの移動も可能。)夏のハイシーズンの電車内は常に満員です。山手線のラッシュ並みとお考え下さい。
一番危険なのは乗り降りの隙にサッと盗まれてしまうこと。以前ご案内したお客様も簡単に開けられるリュックサックをお持ちで、被害に遭いました。しかも大金を入れていた模様…相手はプロです。気づかないうちに被害に遭ってしまいますので、くれぐれもお気をつけて。不安な方は、電車ではなく船での移動をおすすめします。
電車に乗るときは決して荷物から目を放さないでください。乗り降りで人がごった返す瞬間は特に要注意です!
個人的には一番気を使う観光地です。2番目はピサの奇跡の広場(Piazza miracolo)ですね。ピサの斜塔付近もスリグループが多いのです。
チンクエテッレへの行き方
電車でお越しの場合
ジェノヴァ方面から
チンクエテッレ内の各駅までの直通あり。
Genova Pizza Prinzipale駅からインターシティなど特急列車や普通列車(RV)で、約1時間10分。10.70ユーロ~
途中、セストリ ラヴェンテ(Sestri Lavente)やラヴェント(Lavento)駅にて乗り換えの場合もあり。
フィレンツェ方面から
ラ・スペッツィア中央(La Spezia Centrale)駅で、必ず乗り換える必要あり。
フィレンツェS.M.N駅からラ・スペッツィア中央(La Spezia Centrale)駅へ行き、La Spezia Centrale駅から普通各停列車(REG)で各集落へ。
・特急列車を利用した場合、約2時間10分。24.70ユーロ~
・普通列車のみの場合、約2時間30分。17.85ユーロ
途中、ピサ中央(Pisa Centrale)、ルッカ(Lucca)やヴィアレッジョ(Viareggio)などで乗り換えの場合もあり。
お車でお越しの場合
ジェノヴァから1時間40分(88km)
フィレンツェから2時間30分(177km)
まとめ
スリには要注意ですが、魅力にあふれたチンクエテッレです。また、文化面だけでなく、トレッキングやダイビングのアクティビティも豊富な人気スポットです。リゾート地ポルトヴェーネレ(Porto Venere)にも近いので、新婚旅行など特別な旅にも最適ですよ。
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