Ciao!12月に入り本格化したイタリアのクリスマスシーズンですが、2021年にはグッビオへ行ってきました。
グッビオとは?
グッビオ(Gubbio)は、ウンブリア州ペルージャ県にあるコムーネです。ペルージャ北東の一山超えたところ、マルケ州との州境に位置します。アッシジの聖フランチェスコが人々を苦しめていたオオカミと対話し回心させたというオオカミ伝説の舞台でもあります。中世からの建物が残る街であり、中部イタリアの古い街で見かける死者の扉(La porta del morto/棺桶を家から出すためだけの扉)もよく残っています。山の斜面に沿って作られた街のため坂道が多いのですが、公共のエレベーターを使っての上下移動も可能です。毎年5月15日に行われるろうそく祭り「Festa dei Ceri」やクリスマスシーズンに見ることができる世界一の大きさを誇るクリスマスツリーは一見の価値あり。
グッビオは、素晴らしい石造りの建築物の数々から「石の街(città di pietra)」と呼ばれています。15~16世紀にかけて発展した陶器(ceramica)の有名な産地でもあり、現在も多くの工房が残ります。また、「狂人の街(città dei matti)」と呼ばれることもあります。いい日本語訳がないので「狂人、クレイジー」と訳すことになりますが、グッビオにおいて「matto」という言葉には、狂人やクレイジーという意味よりも、自由(libertà)、 夢想家(sognatore)、理想主義者(idealista)という意味が強いようです。由来としては、中世時代のグッビオの住民は非常に皮肉で予測不可能、面白く冗談を言う傾向があり、市民という言葉を「matto」に言い換えていた説や「Festa dei Ceri」にかける度を越した情熱などから「Città dei matti」と呼ばれるようになったそうです。お土産にここでしか貰えない「狂人の免許証(la patente da matto)」はいかがですか?
その他、RAI1で2000年から放映されているテレビドラマシリーズ『マッテオ神父の事件簿(Don Matteo)』第8シーズンまでの舞台でした。
見どころ
グランデ広場とコンソリ宮(Piazza Grande e Palazzo dei Consoli)
グッビオのメイン広場です。広場には1332~1349年に建設されたゴシック様式が印象的なPalazzo dei Consoliが建っています。この建物はイタリアで最も印象的な公共建築物のひとつでもあります。広場の前のカフェでは、『マッテオ神父の事件簿』のファンの方が聖地巡礼を行っていました。
聖マリアノと聖ジャコモ大聖堂(Cattedrale dei Santi Mariano e Giacomo)
グッビオの大聖堂。山の麓にあったロマネスク様式の教会跡に建てられたゴシック様式の教会です。現在の建物は1229年に完成し、その後1336年に拡張され、改築されつつ現在の形となりました。
聖ウバルド聖堂(Basilica di Sant’Ubaldo)
インジノ山(monte Ingino)の800 m付近にある教会です。グッビオの守護聖人である聖ウバルドがこの聖堂の祭壇で眠っています。徒歩でも行くことができますが、Funiviaで絶景を楽しみながら登るのはいかがですか?伝統イベントCorsa dei Ceriのゴールであり、お祭りで使用されるCeriが展示されています。こちらで見たプレゼーピオは見事でした。
リフトFunivia “Colle Eletto”
グッビオの街からインジノ山827m地点までを約8分で結びます。立ったままカゴに乗り込む形で迫力満点です。グッビオの街を眼下に絶景を楽しむことが可能ですが、高所恐怖症の方はご注意を。
ドゥカーレ宮(Palazzo Ducale)
1384年にグッビオを征服したウルビーノの君主モンテフェルトロ(Montefeltro)家の邸宅です。1482年に完成しました。グッビオにある建築物としては唯一のルネッサンス様式です。
現在の内部は美術館になっており、現存する当時の調度品とともに見学することが可能です。また、13世紀から18世紀にかけてのグッビオ絵画の主要な絵画作品のコレクションが展示されています。
バルジェロの噴水(Fontana del Bargello)
別名、「狂人の噴水(Fontana dei matti)」です。反時計回りに噴水の周りを3周周り、3周目の最後に噴水の水を体にかけて祝福の洗礼を受けます。この工程を行うことで真のグッビオ市民として認められ、名誉ある「狂人の免許証(la patente da matto)」を受ける資格が与えられるそうです。
本物の免許証はAssociazione Maggio Eugubino協会がグッビオ市民に対してのみ発行するものですが、お土産用にレプリカがすぐそばのお土産屋さんで販売されています。名前入りですし、ここでしか買えない記念のお土産になること間違いなしです。多くの人が噴水の周りをぐるぐる回っていますので、ぜひ一緒にチャレンジしてみましょう!
グッビオのイベント
ろうそく祭り(Festa dei Ceri)
毎年5月15日に行われます。3つの地区対抗で、聖ウバルド (グッビオの守護聖人)、聖ジョルジョ、修道院長の聖アントニオの像を冠したCeriをBasilica di Sant’Ubaldoまで運びます。迫力満点で、多くの観光客が訪れる一大イベントです。
トリュフ祭り(Mostra del Tartufo)
毎年、11月1日の諸聖人の祝日前後に行われる白トリュフのお祭りです。
グッビオのクリスマスツリー(Albero di Natale di Gubbio)
1981年に始まり、毎年12月7日からクリスマスシーズンに見ることができる世界一大きいクリスマスツリーです。ウンブリア州の冬の風物詩の一つです。グッビオの街があるインジノ山(Monte Ingino)全体を使って表現されるツリーは全長縦750m、横450mの大きさで、巨大さは50km先からでも見ることができると言われています。
よく見かけるツリーの全景写真は車で移動した位置から撮影したものだと思います。個人的におすすめな撮影スポットは、歴史地区のすぐ外にあるローマ劇場(Teatro Romano)がある公園です。
プレゼーペ通り(Le vie del Presepe)
クリスマスシーズンに実際の街の通りを使って展示される等身大のプレゼーペです。思った以上に迫力がありました(笑)歴史地区内のサン・マルティーノ(San Martino)地区で開催されます。
観光案内所
グッビオへの行き方
バスでお越しの場合
ペルージャのバスターミナルから郊外行きバス(Extra urbano)E001番線(GUBBIO行き)で約1時間。片道5.5ユーロ。
終点にある広場でイベントがあるときなど、バスがP.40 Martiri Gubbioの停留所まで行かない場合もあります。その場合は、歴史地区外のローマ劇場を過ぎた辺りにあるViale Teatro Romano 1が終点となります。
電車でお越しの場合
ローマテルミニ駅からアンコーナ行きRVで2時間40分。Fossato Di Vico Gubbioで下車後、郊外行きバス(Extra urbano)E052番線(GUBBIO行き)に乗り換えて約36分。
お車でお越しの場合
- ペルージャから約45分(40km)
- アッシジから約45分(53km)
- ローマから約2時間30分(213km)
- フィレンツェから約2時間20分(164km)
まとめ
広場ではクリスマスマーケットが行われていたり、プレゼーピオ通りができていたりとグッビオの街全体がクリスマス一色で華やかでした。山の斜面にある街ですが、各階層はエレベーターで移動することもでき便利ですよ。筆者が高所恐怖症のため、リフトFunivia “Colle Eletto”は結構怖かったです(笑)次回は、la patente da mattoも手に入れたいと思います!
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