Ciao!今回はペルージャにも近いコルチャーノの集落をご紹介します。
コルチャーノとは?
コルチャーノ(Corciano)とは、ペルージャの隣接するコムーネです。ペルージャからは10㎞ほどの距離。歴史地区は他のウンブリア州の街の特徴と同じく、小高い丘の上に位置しています。コルチャーノのコムーネ自体は8つの村に分かれており、エリア内には多くの城塞が現在も残っていることも特徴的です。
「コルチャーノ」という名前の由来は、ラテン語の「Curtius (Coricius, Corisius/素朴な土地の所有者)」にあると考えられています。しかし、古代ギリシア叙事詩オデュッセイアに登場し、ペルージャ始まりの伝説にも関係する「Coragino(コラジーノ)」に由来する説、ローマ神話のヤヌス神の心臓を意味する「Cuore di Giano」説やヤヌス神の丘を意味する「Colle di Giano」とする説などもあります。
古いものだと、エトルリア-ローマ時代の痕跡も発見されています。また、中世後期のコルチャーノの村は、城・教会・塔で構成されていた記録が残っています。この塔に関しては、現在もコルチャーノの歴史地区の中心に残っています。
中世後期~ルネサンス期には、主に農業(ワイン・オリーブなど)や手工業が盛んな地域であり、現在もその特徴は受け継がれています。約1㎞に渡り建設された城壁も中世後期のものです。現在では、城壁に沿って遊歩道も整備されており、ウンブリアの田舎のパノラマを楽しみながら散策することが可能です。
地元の観光協会が書いた観光案内の説明書きが村のあちこちにあり、探してみるのも楽しいですよ。
「イタリアで最も美しい村クラブ(i borghi più belli d’Italia)」に加盟しています。どこを切り取っても絵になる村は訪れる価値がありますよ。
コルチャーノの村自体は、2~3時間程で回りきれるでしょう。ペルージャの市内バスA線沿いにあるPeruginaのチョコレート博物館(Casa del Cioccolato/要予約)と合わせて観光することをおすすめします。ペルージャからも訪れやすく、大都市だけじゃなくて小さな村も訪れたいという方にはオススメですね。
コルチャーノのみどころ
サンタ・マリア・アッスンタ教会(Chiesa di Santa Maria Assunta)
現在の教会は、1870年に再建されたものです。
正面の後陣には、ウンブリア州を代表する画家ペルジーノの1513年の作品『被昇天の祭壇画(Pala dell’Assunta)』があります。
また、入口の左手にある絵画は、制作当時(1472年)のコルチャーノが描かれた『il Gonfalone』(Benedetto Bonfigli作)です。現在の村との違いを見ることができます。
市立考古学博物館(Antiquarium comunale)
観光案内所の地下1階部分に併設されています。
コルチャーノ近郊で発掘されたコレクションが展示されています。修復された古墳の副葬品、特に骨壺(urna)には海の生物や神話上の生物が描かれるなど、珍しい出土品も保存されています。
農家博物館(Museo della Casa Contadina)
1970年代の農家で実際に使われていた道具を保存した博物館です。当時の生活の様子を知ることができる貴重な場所となっています。蔵の中には、ワイン製造やオリーブ精油の道具の数々、機織り機なども大切に保管されています。
教区博物館/サン・クリストフォ教会(Museo della Pievania/Chiesa di San Cristofo)
サン・クリストフォ教会内にあるコルチャーノ教区に関するコレクションが保存された博物館です。
サンタ・マリア門の塔(Torrione di Porta Santa Maria)
コルチャーノのメインゲートでもあるサンタ・マリア門に併設された3階建ての塔の内部では、中世とルネサンスの文化に関する展示があります。
- Sala delle Chiave:1960年代まで使用されていたサンタ・マリア門のオリジナルの鍵を中心に、コルチャーノの歴史を振り返る写真が多く展示されています。
- Sala dei Massari:コルチャーノの武具など、戦いに関する展示です。
- Sala delle Bertesche:コルチャーノに関する憲章や文書、15世紀ごろに制作されたと思われる大天使ミカエルや聖セバスティアーノの像などが展示されています。
塔は防御の役割も担っており、3階部分(Sala delle Bertesche)にある下向きの窓から侵入する敵に対して攻撃していたと考えられています。
市庁舎(Palazzo Municipale)
色鮮やかで美しく装飾された議会室(Sala del consiglio)を見学することが可能です。
市役所の受付で見学したい旨を伝えると開けてもらうことができます。
観光案内所
考古学博物館(Antiquarium comunale)内の1階に併設されています。
コルチャーノのイベント
コルチャーノ・フェスティバル(Corciano Festival)
毎年、8月初旬~中旬にかけて約11日間に渡って開催されるお祭りです。芸術・音楽・舞台・美食など様々な分野のイベントが行われます。特に後半に行われる中世を模したパレードや市場は必見です。
2023年は8月5日~15日に開催予定。
コルチャーノへの行き方
公共交通機関でお越しの方
ペルージャのバスターミナルから市内バス(urbano)linea A, G, Kなどでペルージャを出て、linea Xに乗り換え。片道約1時間。70分有効のCORSA SEMPLICE ORDINARIOで1.50ユーロ。
コルチャーノ市内は小型のコミュニティーバス(linea X)が運行しています。
お車でお越しの方
- ペルージャから約20分(12km)
- アッシジから約45分(33km)
- フィレンツェから約1時間40分(140km)
- ローマから約2時間15分(179km)
まとめ
今回は、コルチャーノの村を解説しました。考古学博物館以外は観光案内所のスタッフさんに毎回開けてもらう形式ですが、おかげで解説付きのプライベートツアーとなりました。小さいながらも村の歴史を知ることができる貴重な体験でした。ペルージャからも市内バスで行くことができますし、手軽に訪れることができる村です。高台に上ると、山の向こうにトラジメーノ湖を見ることができます。夕暮れ時は特に美しいですよ。
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